▽ 要約
マーケット急変:BTCが$108,000割れ、日中-0.52%
ゴールド高騰:$4,300到達、時価総額$30兆に
規制と金融:EUROD発行や英押収BTC補償検討
供給と安全:EIGEN解禁と20年12万BTCの脆弱鍵
投資家の関心は「BTCの調整は一過性か、資金はどこへ向かうか」だが、10月17日はBTCが$108,000を割る一方で金が史上最高値を更新したため、資金フローの防御色が強まった。10月17日 暗号資産ニュースとして、規制・インフラ・供給イベントを一次情報に基づき整理し、翌日の意思決定に使える要点を短く解説する。
市況――BTCは10.8万ドル割れ、金・銀は最高値圏
BTCが前日比マイナス圏で$108,000を割れた一方、金は$4,300/ozに達し、銀も45年ぶりの最高値更新が伝えられたため、安全資産志向が強まった。
BTCはOKX気配で$107,990近辺まで下落が観測された。金については、$4,300/oz初到達や豪州での購入行列がXで共有され、時価総額が$30兆に達したとの指摘も出ている。こうした「株・暗号→金・銀」への一時的な資金シフトは、10/11の急落後に続くボラティリティ持続と相まって、短期的なリスク回避の文脈で理解できる。
規制・伝統金融――MiCA準拠EURODと英押収BTC、BoEの一時制限示唆
EUのMiCA体制の下で仏ODDO BHFがユーロ建てステーブルコインEURODを発行し、Polygon採用やBit2Me上場方針を示したため、伝統金融によるトークナイズと規制準拠の進行が確認された。
同時に、英国では2014~17年に中国での違法集金で得られたとされる約$68億相当のBTC押収(2018~21年押収分)の扱いで、被害者補償スキームの検討が報じられた。もっとも犯罪収益没収法の運用次第では政府帰属の余地も残る。加えて、英中銀はステーブルコイン保有限度は「経済安定上の脅威が薄れれば撤廃」とした。規制は緩急をつけつつ、実需と金融安定の両面をにらむ段階に入っている。
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取引所・インフラ――集中と分散のせめぎ合い、需給・安全性の論点
集中型の利便性と分散型の検証可能性がせめぎ合うため、プレイヤー再編と透明性要求が並行して進む。
デリバティブと市場構造
DeribitのCEOは、オプション特化と低遅延インフラ、機関投資家比率の高さ(約85%)を強調し、Coinbase傘下での国際的なデリバティブ拡張を見据える姿勢を示した。一方、10/11の大波乱を受け、BinanceはUSDE/BNSOL/WBETHの補償に$2.83億を充当したが、CEXの「相対的公平」対DEXの「絶対的透明性」をめぐる議論は継続している。DEXはCLOB型の高速化でスポット19%、パーペチュアル14%超(2025年10月)のシェアを取るなど、性能面の差は縮小している。
トークン供給・セキュリティとエコシステム
EIGENは2025年11月1日から約23カ月にわたり、毎月約$4,700万相当(時価総額比約10%)の定常的アンロックが続くため、需給の重さが長期化しやすい。他方、2020年12月の約12万BTC移転は、Lubian.com関連ウォレットのPRNG欠陥に起因したとする技術報告が更新された。オラクル面では、ChainlinkとMegaETHがDeFi向け「ネイティブ・リアルタイム・オラクル」を予告し、取引所領域ではCZがCoinbaseにBNBチェーン銘柄の上場拡大を呼びかけるなど、レイヤー間の相互補完の動きも顕在化している。
▽ FAQ
Q. BTCは10.8万ドルをいつ下抜けた?
A. 2025年10月17日、OKXの板で107,990ドル近辺が観測された(当日-0.52%)。
Q. 金の$4,300/ozと$30兆時価総額は事実?
A. $4,300はX投稿で広く共有、$30兆もXで指摘。一次データは市場板・指標を要確認。
Q. EURODはどの規制の下で発行される?
A. EUのMiCA準拠で仏ODDO BHFが発行、Polygonで流通、Bit2Me上場予定とされた。
Q. EIGENのアンロック・スケジュールは?
A. 2025年11月1日開始、約23カ月連続で月36.82M EIGEN(約$4,700万)解禁の見込み。
Q. 2020年の12万BTCの流出原因は解明済み?
A. 乱数生成の欠陥で予測可能な鍵が使われたとの報告更新。法執行は鍵を入手。
■ ニュース解説
BTCが$108,000を割れた一方で金・銀が最高値圏にあるため、資金は短期的に安全資産へ回避し、規制側はMiCA準拠の実装や押収資産の扱いで制度対応を進めた。EIGENの継続アンロックとCEX/DEXの透明性議論は流動性と信頼を左右する。
投資家の視点:①価格変動時は板の薄い時間帯・市場間スプレッドに留意、②大型アンロック(EIGEN)の前後で資金需給と取引所流入を監視、③CEXは補償体制・監査、DEXはオンチェーン検証可能性を比較、④ステーブルコインは準拠法・準備資産・監査頻度を確認、⑤セキュリティでは鍵生成・オラクル更新・依存ライブラリ(npm)を点検。
※本稿は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。
(参考:PANews)





