▽ 要約
市場 米BTC現物ETFが週次で9.03億ドル流出。
政策 SEC・CFTCが9/29に共同円卓を開催し協調監督を協議。
取引所 OKXが6銘柄整理、BinanceはFFを9/29上場。
基盤 Roninが9/29買い戻し開始、StarknetはBTCステーキングを9/30実装。
投資家の関心は「足元の調整は続くのか」に尽きるが、9月29日はSEC・CFTC共同円卓や取引所の上場/整理、プロトコルの供給イベントが重なる一日であるため、価格だけでなく資金フローとルール動向の両輪で見る必要がある。9月29日暗号資産ニュースでは、週次ETFフロー悪化と規制協調の進展、主要取引所の対応、今週の需給イベントを一気に把握できるよう解説する。
市場・規制・法執行の全体観
週次で米BTC現物ETFは9.03億ドルの資金流出となり地合いは弱含む一方で、米SECとCFTCの共同円卓が開催され協調監督の議論が進むため、先行き不確実性の低減が期待される。
9月22〜26日の取引週に米BTC現物ETFは合計9.03億ドルの純流出、直前の4週連続流入が途切れた。個別ではBlackRockのIBITのみが流入超で、投資家の姿勢は守りに傾いた。
規制面では、SECとCFTCが9月29日13:00–17:30(米東部)にSEC本部で「規制ハーモナイゼーション」円卓会合を実施。直前のリリースでは議題と登壇者が示され、証券・商品両当局の整合化が焦点となる。
法執行では、中国由来の約6.7億ドル相当と報じられる大規模ビットコイン資金洗浄事件(被害者約13万人、被疑者Qian Zhimin)が9月29日にロンドンのサウスワーク刑事法院で審理開始予定で、クロスボーダー資産回収の前例形成が注目される。
取引所・トークンの個別トピック
取引所では整理と新規上場が並走するため、流動性の再配分が起こりやすい一方で、プロトコル側の買い戻しや上場が需給のクッションとなる。
OKXは9月29日(北京16:00–18:00)にFORTH/RUNECOIN/POLYDOGE/SC/USTC/LUNCの現物ペアを整理する計画を告知し、対応資産の入出金スケジュールも示した。
BinanceはFalcon Finance(FF)を9月29日13:00(UTC)に上場、USDT・USDC・BNB等のペアを提供し、HODLer Airdropsに採用している。
Ronin NetworkはトレジャリーによるRONの市場買い戻しを9月29日から開始すると公式ブログで公表、循環供給の圧縮とホルダーの信認向上を狙う。
Coinbaseは豪ドル建てAUDDとシンガポールドル建てXSGDの提供開始を10月1日02:30(UTC)と告知しており、ローカル通貨建てステーブルの拡充が進む。
ネットワーク・需給イベント(今週の予定含む)
BTCfi拡張やトークン供給の変化が短期需給を動かす一方で、ミーム的過熱指標の後退は過度なリスク選好の沈静化を示唆する。
Starknetは9月30日にメインネットでBTCステーキング機能を実装予定で、ラップドBTCの選択肢拡充とアンステーク期間短縮が告知されている。
Solanaの新規トークン生成数は9月27日に27,354件まで低下し3月以来の低水準、依然として日次・週次・月次で最多だが過熱感の後退が観測される。
トークン・アンロックでは、SUIが10月1日8:00(北京)に約4,400万枚(約1.37億ドル)、EIGENが同日正午に約3,682万枚(約6,660万ドル)など大型の供給解放が控える。
破綻関連では、FTXの第3回分配として約16億ドルを9月30日から債権者へ追加支払い予定で、返済資金の市場流出入が短期の板厚に影響する可能性がある。
▽ FAQ
Q. SEC・CFTC円卓はいつどこで開催?
A. 2025年9月29日13:00–17:30(米東部)、SEC本部100 F St. NEで実施されます。
Q. 今週のBTC現物ETFフローは?
A. 9月22〜26日に純流出9.03億ドルで、4週連続の流入が途切れました。
Q. 9月29日の取引所イベントは?
A. OKXが6銘柄の現物整理、BinanceがFalcon Finance(FF)を13:00 UTCに上場します。
Q. Roninの買い戻しは価格に影響?
A. 9月29日開始のRON買い戻しは循環供給を減らし需給改善要因ですが、規模次第です。
Q. CoinbaseのAUDD・XSGDはいつ利用可能?
A. 公式発表では10月1日02:30(UTC)にグローバル提供開始となります。
■ ニュース解説
ETFからの資金流出が続いたため地合いは軟化した一方で、SEC・CFTC円卓の開催で規制協調の議論が進むので不確実性は低下しつつあり、取引所の整理と新規上場、プロトコルの買い戻しと大型アンロックが今週の需給を左右する。
投資家の視点:イベント前はレバレッジと逆相関資産ヘッジの管理を優先し、(1)ETFフローと出来高、(2)OKX整理対象資産の板厚変化、(3)RON買い戻しの規模・頻度、(4)SUI/EIGENの解禁後フローを観察するのが一般的です。材料の先回りより、公式発表と執行状況の確認後に流動性の厚い銘柄から段階的にエクスポージャーを調整してください。
※本稿は投資助言ではありません。