8月1日│米レポートと香港発牌制で動く暗号市場

▽ 要約

米レポート公表:機能別監督へ移行しSEC・CFTC権限再配分
USDe急拡大:7か月で70億ドル、sUSDe年利18%
香港発牌制:8月1日開始、最難関ステーブル枠組み
NFT取引件数+78%:ゲーム系コレクションが牽引
投資焦点:利回りより機関マネー動向を優先

米ホワイトハウス初の暗号資産政策報告と、香港ステーブルコイン免許(発牌制)が8月1日に同時スタートします。読者の皆さんは「規制強化=売り」という先入観をお持ちかもしれません。しかし今回の二大イベントは、むしろ機関投資家の参入条件を整える好機です。本稿では「米暗号報告」「香港発牌制」「USDe急拡大」を中心に、投資家が取るべきアクションを結論から示し、その根拠を分かりやすく解説します。

米ホワイトハウス報告:機能別監督でSEC・CFTCを再編

準備資産を持つステーブルコインとKYC対応DeFiが優位。

報告の4本柱

  • 安定資産枠組み:準備資産公開と即時清算インフラ
  • 銀行接続:連邦チャーターバンクのみがUSDステーブルを発行
  • 国家安全:KYC/AML技術の義務化
  • 技術中立:コードは規制対象外、機能を監督

米国は“機能”に着目した新モデルを提示し、USDC・USDeなど準備型ステーブルコインが最大の受益者になるでしょう。

USDeの爆発的成長と潜在リスク

APY 10%以上は基差縮小で低下リスク、出口戦略を持つこと。

資本飛輪モデル

  1. 先物ショートでドル利回り生成
  2. ENA金庫が自己買いでAPY 18%にブースト
  3. USDeホルダーへ優先分配 ⇒ 時価発行70億ドル

主要リスクとMitigation

リスク影響対策
基差縮小APY低下清算所分散・CME裁定
ENA Fee Switch利回り希薄最大20%で段階導入
規制適合流通停止USDtb化で枠組み対応

香港発牌制:世界で最も厳しいステーブル規制が始動

銀行+テック連合が先行、無許可トークンは6か月で主要CEXから締め出し。

主なライセンス候補

  • 銀行系:スタンダードチャータード HK、JD コインチェーン
  • Fintech:Circle、HKT、LianLian Digital
  • Web3:Animoca × スタンダードのHKDステーブル

関連:香港デジタル資産政策2.0解説

NFT市場の量的回復と質的転換

高額投資家よりもゲーム・ブランド系の小口流動性が主役。

3つの構造変化

  1. ゲーム&ブランドNFTが新規流動性を牽引
  2. Base・Blast・TONなど新L2で発行件数急増
  3. Blur DAO によるロイヤリティ再調整 → 作家還元率改善

▽ FAQ

Q. 米レポートでDeFiは締め付けられる?
A. コードは禁止されず、AMLトレーサビリティ強化が中心。機能別監督で適用。

Q. 香港ライセンスが取れないステーブルは終わり?
A. 取引所・大口決済では使えなくなる見込み。6か月移行期間が猶予。

Q. USDeの利回りはどこまで下がる?
A. CME基差5%以下でsUSDe年利10%未満リスク。脱出ルート確保を。

■ ニュース解説:投資家の行動指針

三極規制(米・香港・EU)は「準備資産/即時清算/AML」を共通柱とします。短期的には報告直後に流動性が SEC/CFTCテーマ銘柄へ集中。中期では香港ライセンス関連株に分散。長期的にはBTC ETF純流入を日次チェックし、ETF→現物→マイニング株へローテーションする戦略が有効です。

本記事は投資助言を目的としません。

(出典:panewslab