▽ 要約
ビットコイン反発:32,800ドル付近で下げ止まり、出来高は前日比+18%
BNB史上最高値:企業財庫化と国家準備入り期待で860ドル突破
香港規制開始:ステーブルコイン発行者ライセンス、8月1日発効決定
ETF資金流入:BTC現物ETFは3日連続プラス、総流入1.57億ドル
BTCFi拡大:BabylonステーキBTC残高が6万BTCに迫りDeFi TVLで5位
7月30日 仮想通貨市場
「米インフレ再加速」観測で冷え込んでいた暗号資産市場は7月30日未明、米長期金利の一服を契機に全面反発した。最大の着目点はBNBの連日の上場来高値更新と、香港で世界初となる強制ライセンス型ステーブルコイン規制が8月1日に発効する事実だ。本稿では、主要通貨の値動きとファンダ、投資家が取るべき次の一手を整理する。
市場サマリー
シンボル | 価格(24h) | 出来高変化 | 注目材料 |
---|---|---|---|
BTC | 32,835 USD(+2.4%) | +18% | ETF 1.57億ドル流入(出典:SoSoValue) |
ETH | 1,762 USD(+3.1%) | +22% | SharpLink持ち高43.8万ETH公表 |
BNB | 862 USD(+8.9%) | +40% | Liminatus等ナスダック企業が買い増し |
USDT | 1.001 USD | ― | 香港規制で需要増観測 |
OMNI | 41 USD(+25%) | +300% | Upbit KRW市場上場 |
マクロ環境と資金フロー
ETF流入が下値を支える
昨日の米株市場はS&P500が歴史的高値を更新し、暗号ETFにも資金を呼び込んだ。特にブラックロックのIBITへ1.47億ドルが流入し、累計流入額は573.9億ドル(出典:SoSoValue)。これがBTCの32,000ドル防衛線を強固にした。
レバレッジ状況は健全
デリバティブ取引所の資金調達率はBTCで+0.013%、ETHで+0.018%と過熱感は低い。強制清算規模も前日比-35%。ポジション偏りが小さく、追加上昇余地を示唆する。
BNB―“三つの追い風”
ナスダック企業の財庫組み入れ
- Liminatus Pharma(NASDAQ:LIMN)が最大5億ドル相当のBNB長期購入計画を発表。
- CEA IndustriesはCZ系家辦YZi Labs支援の PIPE で超過募集、BNB証券化ビークルを設立予定。
企業がBTCに続きBNBを“デジタル準備資産”と見なす動きが加速した。
主権国家のバックアップ
不丹GMC経済特区が公式準備資産バスケットにBNBを追加。小国ながら主権マネーの導入は象徴的だ。
チェーン内実需
PancakeSwapのDEXシェアは全チェーンで59.6%。Lista DAOのTVLは26.5億ドル。BNBチェーン上のアクティブアドレスは30日平均で565万件と過去最高を更新。
香港ステーブルコイン規制の実像
100%準備と六か月猶予
金管局は《安定幣条例》下で8月1日より発行者ライセンスを義務化。過渡措置6ヶ月を設定し、既存発行者は8月31日までに意向表明、9月30日までに正式申請しなければ退場となる。
市場への影響
- ライセンス上限は当面1桁と示唆→USDT/USDC以外は淘汰リスク
- ライセンス保持者は100%償還基金を保持し、裏付資産は主要金融機関で分別保管
- AML指針によりKYC強化、シャドーバンク型モデルは排除
結果として、ライセンス取得見込みの高いCircleやRipple(USDX)に資金が集中、香港ドル建てステーブルコインの台頭も予想される。
BTCFi—静かなるレボリューション
ステーキ化が加速
BabylonのBTCステーキング残高は57,000 BTCに達し、ステーキング年換算利回り(APR)は8.2%。
BounceBitのBBTCは合計12,000 BTCを突破、Prime 募集枠が機関投資家から即日完売。
インフラ整備
- Lightning LabsがTaproot Assets v2をローンチ、BTC原生資産の発行・送金を簡易化
- BitVMテストネットが2025Q1予定、スマートコントラクト機能でBTCFiフルスペックへ布石
▽ FAQ
Q. 香港のステーブルコイン規制は何が変わる?
A. 8月1日から発行者ライセンスが必須となり、1:1裏付け資産の保管場所・監査頻度が法的に義務付けられます。違反者は最大5年の禁錮と罰金が科されます。
Q. BNBを大量購入した上場企業は?
A. 米ナスダック上場の生物製薬企業Liminatus Pharmaが最大5億ドルのBNB長期投資計画を発表し、市場の注目を集めました。
Q. BTCFiとは何を指す?
A. BTCを担保やステーキングに活用し、レンディング・ステーブルコイン・保険など既存DeFiと同等の金融サービスを構築するトレンドです。
■ ニュース解説
香港規制は投機的ステーブルコインに打撃を与えつつ、規制当局公認の寡占市場を創出する。それは国際決済ネットワークの合規化を促し、香港ドルおよび人民元ステーブルコインの将来を開く可能性がある。一方、BNBは新たな財庫プレーヤーの参入を追い風に基調を強めるが、短期的に PIPE や増資による売り圧も想定されるため、ポジションサイズ管理が鍵となる。
本記事は投資助言ではない。
(出典:Babylon Explorer,金管局,BscScan,DefiLlama)