日本で使える暗号資産カード最新比較

▽ 要約

職罰:決済時は暗号資産の譲渡となり課税対象。
品揃え:Solayer/Xapo/RED°X/OKAMI等を条件別に比較。
費用:年会費・為替・ATMの総負担で選ぶ。
危険:海外発行は日本の保護外になり得る。

「日常でクリプトをそのまま使えるの?」という疑問に対し、日本居住者でも発行できる暗号資産カード 日本の主要選択肢と税務・規制の注意点を一気通貫で整理する。結論は、使い勝手とコストは大きく進化したが、課税と保護範囲の理解が不可欠で、用途に応じたカード選びが肝要である。

日本人が発行できる主なカード

各カードは対象国や法規制が異なるため、発行条件・手数料・資産保管形態を総合で比較する必要がある。

Solayer Emerald Card

USDCを直接決済できApple/Google Pay対応のオンチェーン型で、非カストディ運用のため自己管理とKYC完了後の利用が前提となる。
SolayerはVisa互換で世界利用可、USDCから直接支払いが可能。仮想口座のsUSDへ切替えると年利4〜5%相当の利回りを狙える設計で、必要に応じて即時USDCへ戻して使える。非カストディでウォレット資産を紐付け、40,000人超に展開し、タッチ決済やATM引出にも対応する。
主な向き:オンチェーン報酬や分散型設計を重視する中上級者。費用:発行時前払$75など。

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Xapo Bank Card

銀行口座とBTC口座を一体で提供し、年会費1,000USDの代わりにFX手数料ゼロや最大1%のBTC還元、ATM月100USD無料など富裕層向け仕様が揃う。
Xapoはジブラルタルで預金保証(€100,000までのフィアット)が適用される銀行。カードはBTC/ USD残高からの直接支払いが可能で、Lightning対応やUSDT/USDC送受金にも対応。コストは高いが、グローバル決済とカストディ一体型の利便が特長。
主な向き:大口利用・長期保管と世界利用を両立したいユーザー。留意:高額年会費。

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RED°X CASH

USDTを直接リンクしVISA加盟店とATMで利用でき、カード間P2P送金もゼロ手数料で可能とされる。
日本発のWeb3プロジェクトRED°のカードで、専用Webアプリから入金・送金・決済が完結。海外発行スキームを介し、利用はVISA加盟店・対応ATMに広がる。プロジェクト連動のトークン施策も展開される一方、為替や換金レート、ATM手数料などの実コストは都度確認が必要。
主な向き:国産プロジェクト連動の実利用とコミュニティ性を重視する層。

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OKAMI(オオカミ)Card

ウォレット連動で多数銘柄対応を謳うが、利用時はUSDT換算のプリペイド挙動が報告され、発行スキームは海外拠点経由とみられる。
利用のたびに自社トークンOKMが必要で一部が動物保護に寄付される仕組みを採用。上位カードほどエアドロップ等の特典がある一方、SNS上では「デビット相当」「発送遅延」などの指摘もあり、国内法の保護外となるリスク認識が求められる。
主な向き:社会貢献やコミュニティ参加に価値を置く層。コスト・実務面の検証が必須。

Aurora Card

暗号資産担保の与信型を掲げ、クレジット用途(ホテル・サブスク等)対応を前面に出すが、発行料300USD、決済5%など費用負担は高めである。
β運用下でKYC登録後に発行。USDT/USDC等の入金で決済やATM引出しに対応する反面、継続的に変動する手数料・限度額の把握が重要。与信提供を利用できるメリットはあるが、トータルコストは他カード比で高水準。
主な向き:デビット不可の場面での“保険”としてのクレジット機能を重視する層。

bitfree(バーチャル/プラスチック)

複数プランから即時発行のバーチャル等を選べ、無KYCプランも存在するが、手数料・上限はプラン依存で変動が大きい。
実務上はバーチャル即時発行(例:発行$99報告)や高機能プラスチック(発行$500報告)などユーザー事例が多い。Apple/Google Pay連携でスマホ決済に載せる利用も見られるが、匿名性を優先するほどカード網による制限・手数料が上がりやすい点に注意。
主な向き:小口・短期で匿名性や即時性を重視する層(自己責任)。

bitFlyer VISA プリペイドカード

国内取引所連携でBTCを円に換えてチャージし、Visa加盟店で日本円決済する最も手軽な選択肢である。
ビットフライヤー口座とバンドルアプリを連携し、入会金・年会費・利用料は無料。残高・上限は国内のプリペイド規制に沿う。暗号資産の“直接決済”ではなく、円建て残高を使う電子マネーに近い設計のため、海外カードに比べてリスクと手数料が抑えやすい。
主な向き:国内で小額・日常決済を安全に試したい層。

比較表

カード名発行条件(KYC等)主な費用対応通貨・決済主な機能・特徴想定ユーザー留意点
Solayer Emerald CardKYC完了/非カストディ(自己管理)発行前払$75(事前予約)USDC直接決済/sUSD切替で年利4〜5%相当/Apple・Google Pay/ATM対応Visa互換・グローバル/ウォレット紐付け/タッチ決済オンチェーン報酬・分散型重視の中上級者自己管理前提(鍵管理・送金ミス等は自己責任)
Xapo Bank Card銀行口座KYC(ジブラルタル)年会費$1,000/ATM月$100無料/FX手数料0%BTC/USD残高から直接支払い/Lightning/USDT・USDC入出金銀行+カストディ一体/最大1%BTC還元大口利用・長期保管と世界利用の両立高額年会費
RED°X CASHKYCあり(要確認)USDTリンク/VISA加盟店・ATM引出可/カード間P2P送金専用Webアプリで入金・送金・決済/国産プロジェクト連動実利用とコミュニティ性を重視為替・換金・ATM手数料など実コストは都度確認
OKAMI(オオカミ)CardKYC+OKM購入利用時にOKM消費(他は記載なし)多数銘柄対応(実態はUSDT換算のプリペイド挙動)決済の一部が寄付/上位カード特典社会貢献・コミュ参加重視海外拠点スキーム/国内法保護外リスクや発送遅延指摘
Aurora CardKYC/与信型(β)発行$300/決済5%/入金1.3%/ATM3%USDT・USDC等クレジット用途可(ホテル・サブスク等)デビット不可場面の“保険”用途トータルコスト高水準
bitfree(バーチャル/プラスチック)無KYCプランあり(プラン依存)発行$99〜$500/手数料・上限はプラン依存USDT・BTC・ETHほか/Apple・Google Pay連携即時発行バーチャル/高機能プラ/複数ブランド小口・短期で匿名性や即時性重視匿名性を優先するほど制限・コスト増
bitFlyer VISA プリペイドbitFlyer口座KYC発行・年会費・利用料無料BTC→円チャージで国内Visa決済手軽・安全/“電子マネー”に近い設計国内で小額の日常決済を試したい層直接クリプト決済ではない/ATM不可

関連:Slash CardとSVL:日本初USDC担保型の要点

選び方と注意点(税務・規制・コスト)

税務は「支払=譲渡」で所得計上が生じるため、記録管理と年間の納税見積りを先に設計するのが安全である。

税務の基本(課税イベント)

暗号資産での購入・他銘柄交換・円転は課税対象となるため、購入価格と使用時点の時価差を台帳化しておく。
支払時は取得原価と決済時価の差が所得(個人は原則雑所得)となる。会計処理は国税庁FAQの計算例が実務の拠り所で、年間を通じた損益通算や住民税も見込む。家計簿・価格履歴の保存、取引所CSVの活用が有効。

法規制と保護範囲

海外発行のプリペイド/デビットは日本の資金決済法による利用者保護の枠外となる場合があるため、苦情対応や供託・保証の有無を確認する。
外国発行体が日本居住者へ勧誘・発行するには国内拠点や所定手続が必要とされる。海外スキームのカードは、紛争時の準拠法・補償・苦情窓口が海外になることが多い点に留意。

コスト設計(年会費・為替・ATM・リワード)

総負担は「年会費+発行料+為替・決済手数料+ATM+付帯還元」で決まるため、通貨や地域、利用頻度で最適化する。
高額年会費でもFXゼロ・高限度額・BTC還元(例:Xapo)の価値が勝るケースもあれば、発行無料・低コストの国内プリペイドが最適な場面もある。ATMは現地銀行手数料が別途かかることが多く、引出し頻度を減らす運用が効く。

国内動向(2025年)

国内ではSlash Fintechが「日本初のクリプトクレジットカード」を2025年内発行方針で公表しており、市場整備が進む一方で審査・手数料・対応範囲は続報待ちである。
海外大手のカードは日本未展開が多い(Wirexは日本でカード提供なし、Crypto.comカードは日本未提供、BitPayは米国居住者限定で新規停止中)。今後の解禁・新規参入に備え、最新の提供条件を都度確認したい。

▽ FAQ

Q. 日本で公式に発行できる代表的な暗号資産カードは?
A. Solayer Emerald(USDC/Visa)、Xapo Bank(年1,000USD)、bitFlyerプリペイド等。Slash Cardは2025年計画。

Q. カード決済で暗号資産を使うと課税される?
A. はい。商品購入は譲渡に該当。国税庁FAQ1-2(2024年12月改定)に計算例あり、記帳と納税見積が必要。

Q. Xapo Bankの主なコストと特徴は?
A. 年会費1,000USD、FXゼロ、ATM月100USD無料、最大1%BTC還元。BTC/ USD残高から直接支払い可。

Q. 海外発行カードは日本の保護制度が効く?
A. 多くは対象外。資金決済法の保護外となり得るため、苦情窓口・準拠法・供託等の確認が不可欠。

Q. Wirex/Crypto.com/BitPayカードは日本で入手可?
A. Wirexは日本でカード非提供、Crypto.comカードは未展開、BitPayは米国限定かつ新規停止中。

■ ニュース解説

利用可能な実カードは増えた一方で税務負担と海外スキームの保護範囲が課題なため、国内発のSlash Card計画や取引所連携型の拡充が鍵となる。
投資家の視点:高額年会費でも総コスト最小化・外貨耐性・付帯還元が見合うかを年額で比較。国内は税務台帳とキャッシュフロー管理を先に設計し、海外発行はトラブル時の管轄と補償を明確化してから少額で試す。

※本稿は投資助言ではありません。

(参考:Xapo Bank,国税庁,bitFlyer,Slash Fintech