コインハブ暗号資産ATM、6都市25台で始動

▽ 要約

サービス開始:2025年9月2日、6都市25台で稼働開始。
ネットワーク:段階的に最大3,000台展開を計画。
設置想定:大型SC・百貨店・駅ナカなど生活動線上。
対応通貨:当面BTCのみ、KYCは氏名・住所・電話。

暗号資産を「現金で売買」できる選択肢は増えるのか──コインハブの新ATMは、現金入出金の両方向に対応し、6都市25台で運用を開始した。今後は最大3,000台まで拡大する計画で、生活動線上の施設に設置を進める。コインハブ 暗号資産ATM 国内展開の狙いと使い勝手、手数料の考え方を整理し、初心者がつまずきやすいKYCや準備物まで実務的に解説する。

設置場所と台数の全体像

主要都市から段階的に拡大するため、まず6都市・25台で稼働し、設置先はSCや駅ナカなど日常動線に寄せた配置となる。
初期展開は東京、横浜、名古屋、大阪、岡山、福岡の6都市。大型ショッピングセンター(SC)や百貨店、駅ナカ商業施設への設置が想定され、買い物や通勤の導線上で現金と暗号資産の交換を完結できる導入設計だ。将来的には順次拡大し、最大3,000台規模を掲げる。

都市別の起点と配置の狙い

都市来訪者の流れを捉えるため、商業集積やターミナル駅周辺から順次配置する方針で、利便性と初期認知の獲得を優先する。
東京・大阪など高頻度で現金需要の発生する拠点を起点に、横浜・名古屋・福岡・岡山へ広げる。設置先の商業施設側には「誘客・滞在延長」「新規層接点」の効果が見込まれ、少額ニーズへの対応で利用障壁を下げる狙いがある。

設置基準と小売施設のメリット

防犯・運用動線・稼働率を考慮するため、監視環境と補填オペの確保が可能な区画を優先し、施設の集客力を活用する。
セキュリティ要件(監視カメラ・人流・照度)と現金オペの安全性、案内サインの視認性を満たす区画が望ましい。SC側は新規来館動機やSNS波及が見込め、設置スペース当たりの売上貢献が期待できる。

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使い方――購入・売却の手順と準備

現金と暗号資産の双方向に対応するため、QRコードで受取先を指定し、ネットワーク承認後に入金または出金が完了する。
購入(現金→暗号資産)は、画面で「購入」を選択し、銘柄(当面はBTC)と金額を指定→紙幣投入→自分のウォレット受取QRを読み取り→レート・手数料を確認し確定。ATMから即時送付され、数回の承認後にウォレットへ反映される。
売却(暗号資産→現金)は、「売却(現金出金)」を選択→数量(または現金額)を入力→ATMの受取QRに自分のウォレットから送金→所定承認後に現金が払出。ネットワーク混雑度で所要は数分〜数十分。
準備物と本人確認(KYC)は、①日本円紙幣、②受取可能な暗号資産ウォレット(QR提示可)、③携帯電話(SMS認証想定)。初回はATM上で氏名・住所・電話等を登録し、一定額超の取引では公的身分証の追加提示が求められる場合がある。

手数料の見方(売買スプレッド+ネットワーク手数料)

具体率は未公表のため、ATMの提示レート(スプレッド)とブロックチェーン手数料を合算で把握し、用途で取引所と使い分ける。
暗号資産ATMの費用は主に二つ。①ATMが提示する売買レートのスプレッド(実質の手数料)と、②送受信に伴うネットワーク手数料(マイナー手数料)だ。一般にATM手数料はオンライン取引所より高めで数%〜十数%。国内の競合例では、暗号資産両替機「BTM」の売買手数料が**10%**と明示されている。現金化の即時性・対面性に価値がある場面ではATM、それ以外は低コストな取引所といった併用で総コストを最適化できる。

▽ FAQ

Q. 初期設置はどこに何台ですか?
A. 2025年9月2日に商用開始し、東京・横浜・名古屋・大阪・岡山・福岡で25台、段階的に拡大し最大3,000台を計画。

Q. いま買える/売れる通貨は?
A. 2025年9月時点で金融庁登録の取扱はBTCのみ。将来はETHなど拡大予定とされるが、当面はビットコインで運用開始。

Q. ATMの本人確認はどうなりますか?
A. 初回は氏名・住所・電話番号をATM上で登録。高額時は公的身分証の追加KYCが想定され、取引はその場で完結。

Q. 手数料はどのくらいですか?
A. コインハブの率は未公表。一般的に数%〜十数%で、参考に競合のガイアBTMは売買とも10%を公表している。

Q. 設置場所はどんな施設が選ばれますか?
A. 大型SC、百貨店、駅ナカなど生活動線上の施設。集客力を生かし、初心者でも立ち寄りやすい公共空間が想定される。

■ ニュース解説

商用開始が2025年9月2日に発表されたため、まず6都市25台で実装し、設置はSCや駅ナカへ広がる一方で、対応通貨は当面BTCのみで手数料は未公表である。
入出金両対応の暗号資産ATMが国内で本格展開され、初期は6都市25台から始まり将来は最大3,000台まで拡大予定で、大型小売や駅ナカが設置の主戦場となる。2018年以降に強化された規制下でのKYCや運用体制の整備、店舗側の誘客ニーズを背景に導入が進み、現金と暗号資産を直接即時に交換できる環境が整うことで、少額利用の入口として普及が広がる可能性がある。
投資家の視点:流動性とアクセスの改善は現物決済ニーズを押し上げ得るが、ATMのスプレッドは高め。現金化の即時性が必要な場面を見極め、通常は板取引・送金手段を併用し総コストを最適化するのが一般的だ。KYCや上限額、対応通貨の拡充ペースもチェックしたい。

※本稿は投資助言ではありません。

(参考:PR TIMES,金融庁,ガイア