Coinbase、2025年Q2に2.22億ドルBTC購入

▽ 要約

ビットコイン戦略:利益10%を暗号資産へ再投資
週次取得:約2,509BTC、総額2.22億ドル
市場反応:上場企業全体のBTC保有が過去最多に
純利益急増:評価益で14億ドル、調整後は3,300万ドル
株価:決算後8%急落も短期で持ち直し

Coinbase 2025年Q2 ビットコイン購入――業界最大級の取引所が自社資金でBTCを再び積み上げました。本稿では「なぜ今なのか」「どれだけ買ったのか」「投資家はどう動くべきか」という疑問に答えます。読み終えれば、暗号資産企業の財務戦略と相場への影響が一望できます。

購入の狙いは長期価値保存

Coinbaseは2021年に決めた「四半期利益の10%を暗号資産へ」方針を愚直に遂行しています

  • BTCを保有することでインフレ耐性とブランド価値を両立
  • CEOブライアン・アームストロング氏はXで「Long Bitcoin」と宣言

2.22億ドルで約2,509BTCを取得

Q2を通じた週次買付で平均取得単価は9万ドル前後に平準化。

  • 株主レターは「weekly purchases」でBTC保有が+2.22億ドル増と明記
  • CoinDeskは取得枚数を2,509BTCと推計

市場・他社への波及効果

企業によるBTC保有が当たり前になりつつある。

  • Bitwise調査ではQ2に125社が新規でBTCを保有し、企業保有残高は159,000BTCに達した。
  • GameStopが4,710BTCを購入するなど業界外にも波及。

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決算インパクトと株価の反応

評価益で黒字だが、本業収益の落ち込みが株価を押し下げた。

  • 総収益15億ドル、純利益14億ドルの大半が暗号資産評価益
  • 発表当夜の時間外で株価−7〜8%
  • 8月初頭には370ドル近辺へ回復し、年初来+50%を維持

リスクと専門家評価

ボラティリティ吸収余力はあるが、本業強化が急務。

  • アナリストは「評価益依存は不安定」と警告
  • ただし現金・USDCを93億ドル保持し流動性リスクは低位

▽ FAQ

Q. Coinbaseは今後もBTCを買い続けますか?
A. 経営陣は「利益10%ルール」を維持すると述べており、週次買付を継続する見込みです。

Q. 含み益が損に転じた場合の影響は?
A. BTC下落で評価損が発生しGAAP利益は変動しますが、現金比率が高く即時の資金繰りに窮するリスクは限定的です。

Q. 他社も追随する可能性は?
A. 規制明確化と会計基準改正により、上場企業のBTC保有は今後さらに一般化するとの見方が強まっています。

■ ニュース解説

今回の週次BTC購入は、暗号資産を財務に組み込む「コーポレート・トレジャリー2.0」の潮流を象徴します。規制が整い、会計上も時価評価が認められれば、新規参入企業は一段と増えるでしょう。
投資家としての示唆:短期では株価が決算の数字に振られますが、中長期ではBTC価格と規制環境が重要ファクターです。自社のリスク許容度に応じ、暗号資産エクスポージャーを調整する判断が求められます(投資助言ではありません)

(出典:Coinbase,Investopedia,Crypto Briefing