▽ 要約
マーケット反応:Airwallex発言直後、Circle株が一時13%急騰
イシュー背景:ショート宣言は手数料競争と利益圧縮を示唆
事業連鎖:Revolut・Plasmaが新たなステーブル基盤を計画
リスク警戒:RWA便乗報道にアントグループが即時否定で注意喚起
規制視点:国際送金と資産担保型トークンの審査が加速へ
Circle株価の急騰と対照的に、Airwallex創業者Jack Zhangは「Circleを空売りせよ」と挑発的に投稿した。なぜポジティブな株価反応とネガティブな見立てが同時に起きたのか。本稿はCircle株価、Airwallexの競争戦略、業界の拡大プレイヤーを横断的に解説し、投資家が取るべきアクションを整理する。
Circle株価急騰の直因
株価は空売り宣言にもかかわらず需給の偏りで上昇した。
2025年6月20日米国プレマーケットでCircle(CRCL.N)株は前日比12.9%高の225.78ドルを記録。空売り観測に対し、短期トレーダーの買い戻しと新規勢の期待買いが上回り、株価を押し上げたとみられる。
Airwallex CEO Jack Zhangの「ショート宣言」
競合企業のコスト構造に疑念を呈し、自社優位性を強調した発言である。
Jack ZhangはXで「Circleを空売りすべき」と投稿。Airwallexは多通貨即時決済で手数料を抑制しており、USDC発行者Circleのマージン縮小を予測、投資家の過大評価を警告した。
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ステーブルコイン業界の競争激化
Revolutの独自ステーブルコイン構想
フィンテック大手が直接発行者へ転身し、流動性支配を狙う。
ロンドンのRevolutは暗号ネイティブ企業と協議し、独自ステーブルコインを模索。5500万を超えるリテール顧客基盤は、採用コストを大幅に下げる潜在力を持つ。
Plasmaビットコインサイドチェーンの台頭
ガスレス転送と大口投資家支援で新興プラットフォームが差別化。
Plasmaは2025年夏末にEVM互換メインネットを公開予定。PayPal創業者Peter Thielが支持し、10億ドルのデポジットを既に確保。
RWAと規制動向:アントグループの否定声明
RWAを巡る憶測が過熱し、当局の監視と誤情報リスクが増大。
アントグループは海南華泰との提携報道を否定し、無許可のブランド利用に法的措置を示唆。RWAやステーブル関連銘柄への短期的過熱感が浮き彫りとなった。
▽ FAQ
Q. Airwallexのショート宣言が市場に与えた影響は?
A. 発言直後はセンチメントが揺れたが、短期買戻しが勝り株価はむしろ上昇。
Q. Circle株はどこまで上がる可能性があるか?
A. 流動性主導のため短期ボラティリティ高く、利益確定売りが警戒点。
Q. RevolutのステーブルコインがUSDCを脅かすか?
A. 既存顧客への直接提供で流通量は拡大余地があるが、規制承認が前提条件。
■ ニュース解説
- 市場インパクト:Circle株急騰は流動性要因が主体で、空売り勢の踏み上げを含む。
- 関連銘柄:CRCL.N、USDCエコシステム関連企業、フィンテック上場組。
- 規制動向:米国・英国ともにステーブル発行体の準備資本と監査要件を強化へ。
- リスク & チャンス:短期的にはボラ拡大、長期では手数料競争に耐えるビジネスモデルが評価軸。
(出典:知情人士,蚂蚁数科,Airwallex)