▽ 要約
FOMC前夜:ドル高懸念も ETF 七日連続流入が下支え
中東リスク:原油警戒と“TACO効果”で恐怖は限定的
10.6 万ドル:抜ければ 11.9 万ドルへ延長線が開く
二段防衛:短期底 103,000→心理線 100,385 ドルを確認
アルト観測:ETH は 2,600 ドル回復が分岐点
「利下げは本当に来るのか」
FOMC を目前に控えた 2025 年 6 月 18 日深夜、ビットコインはフォーカスキーフレーズである 10.6 万ドル の抵抗線に再び顔を近づけた。市場は米金融政策と中東情勢という二重のカタリストを同時に計量しつつある。本稿は提供ニュースのみを根拠に、
①突破シナリオと価格帯別リスク、
②ETF マネーフロー、
③アルト市場の分岐条件を整理。
読者が翌朝の値動きに備えるための判断軸を示す。
10.6 万ドル――突破条件と延長線
106,000 ドルは“次の加速波の起点”であり、11.9 万ドルまでフィボナッチ延長 1.382 が視野に入る。
レジスタンスとターゲット
- 108,951→110,406 ドルはアナリスト Arslan Butt 氏が「出来高伴うと上放れ」と指摘した抵抗帯。
- 119,164 ドルは Anas Hassan 氏が示した斜辺延長値。
サポート&リスク管理
価格帯 | 意味 | ストラテジー |
---|---|---|
106,000↑ | 強気転換 | 突破後の押し目拾い |
104,800–105,400 | 攻防線 | 反発確認で短期買い |
103,000 | 短期底 | 終値維持で中立 |
100,385 | 最終防衛 | 割れれば一旦撤退 |
FOMC と中東──二重カタリスト
ドットチャートが利下げ1回へ縮小すればドル高だが、ビットコインはETF 流入が支え。(出典:Ebury, HashKey)
ドル高シナリオ
- Ebury の Ryan 氏「パウエルがタカ派ならドル指数上昇」
- BTC は通常ドル安と逆相関を示すが、現物ETF 七日連続流入(+2.16 億ドル)が買い板を形成。
地政学リスクと“TACO効果”
- 中東緊張で原油高観測。
- HashKey の Jeffrey Ding 氏は「市場はトランプ要因に耐性」と分析、過度な恐怖は限定的。
アルト市場を決める ETH 2,600 ドル
ETH が 2,600 ドルを終値で越えるまでは“ドミナンス逆転”は来ない。(出典:HashKey)
ETH の現在地
- 現値 2,548 ドルで伸び悩み。
- wstETH 鯨の累積買いが続く一方、平均 GAS 0.38 Gwei が示すオンチェーン活動は低位。
突破条件
- Michaël van de Poppe 氏「2,800 ドルを明確に上抜けばアルトシーズン移行」。
デリバティブと清算の示唆
空売り主導の精算 3.22 億ドルは売り圧を先行整理し、急反発余地を作った。
▽ FAQ
Q. 106,000 ドルを越えられなかった場合の下値は?
A. 104,800–105,400→103,000→100,385 ドルの順に防衛ラインがある(出典:HashKey)。
Q. ETF 流入が反転する兆候は?
A. 7日連続純流入が途切れ、日次マイナスが2日続けば警戒圏。
Q. 中東リスクで最も注意すべき価格帯は?
A. 104,800–105,400 ドルを終値で割ると投げが加速しやすい。
Q. ETH が 2,600 ドルを維持できない場合の影響は?
A. ビットコインのドミナンス上昇が続き、アルト資金循環が遅延。
Q. FOMC 後の注目時刻は?
A. 6 月 19 日 02:30(JST)のパウエル会見でトーンを確認。
■ ニュース解説
FOMCと中東リスクが同時進行する 6 月第3週、市場は「ドル高・原油高」と「ETF マネーフロー」の綱引きとなった。ETF へ7日連続の資金流入が示す通り、現物吸収力は強く、空売り精算の整理も進む。一方で利下げ回数や原油供給不安が誤算となれば、103,000→100,385 ドルの二段防衛線が試される。短期トレーダーはFOMC 後2時間のボラティリティ拡大に備えたストップ設定が不可欠だ。