▽ 要約
公聴会設定:下院は8/20にBTC準備金案を審議 (REQ-39/2025)
法案内容:PL 4501/2024は外貨準備5%をBTC等へ、多様化とインフレヘッジ狙い
関与組織:中央銀行・財務省・ABCripto等6機関が招致予定
反対論:ボラティリティ高・財政悪化・国際基準逸脱を専門家が指摘
締めくくり:可決なら新興国最大規模のBTC公的保有へ、投資家は政策進展の速度に注目
ブラジル ビットコイン準備金―それは通貨分散の切り札か、それとも危険な賭けか。
下院は8月20日、国家準備金をBTCで保有する是非を初めて公開討論する。結論次第で暗号資産市場とブラジル経済の地図は書き換わる可能性がある。本記事では法案の狙いと争点を整理し、読者が政策リスクを捉える助けとなる実務情報を提供する。
PL 4501/2024とは何か
国家戦略的ビットコイン準備金(RESBit)は、外貨準備を最大5%までBTC等へ分散する制度だ
- 提出者:Eros Biondini議員(PL‑MG)
- 提出時期:2024年11月
- 上限:国際準備高の5%=約150–180億USD相当
- 運用主体:中央銀行+財務省
- 報告義務:半年ごとに議会へ開示
公聴会の概要
REQ‑39/2025に基づき、経済開発委員会は8/20 16:00にブラジリアで初のヒアリングを開く
- 場所:Anexo II, Plenário 05
- 参加予定:ABCripto、中央銀行、財務省、MDIC、FEBRABAN、Méliuz社
- 目的:専門家意見を聴取し報告書を作成、その後委員会採決へ
賛成派の主張
支持者は「インフレ耐性と外貨準備の多様化」を最大の利点に挙げる
- インフレヘッジ:発行上限2100万BTCが法定通貨供給拡大と対照的
- 脱ドル化:外貨準備のドル依存を相対的に縮小
- CBDC基盤:リアルデジタル(Drex)の裏付け資産に活用可能
- 技術先進国アピール:フィンテック誘致と国際競争力向上
- 潜在リターン:エルサルバドルの含み益115%が示す投資妙味
反対派の論点
金融当局と学界は「ボラティリティ・財政悪化・国際標準逸脱」を強く懸念する
- 高変動リスク:危機時に準備金価値が急落する恐れ
- 財政負担:購入資金は国庫。マネタリーベース拡大で利払いコスト上昇
- 格付け影響:IMFや格付会社が不安視する可能性
- 国際基準外:主要中銀で暗号資産を準備に組み入れた前例はない
- 環境懸念:BTCマイニングの電力消費が気候政策と矛盾
今後のプロセス
- 委員会報告書:公聴会後にまとめ、CDEで採決
- 下院本会議:可決→上院→大統領署名
- 規制整備:中央銀行・財務省が具体的取得フレームを策定
- 市場影響:法案進展に応じBTCレアル建て相場が変動の公算
▽ FAQ
Q. 公聴会はいつ、どこで開かれる?
A. 2025年8月20日16時からブラジリア下院アネックスII・議場5で開催予定です。
Q. 法案PL 4501/2024の主な内容は?
A. 国際準備高の最大5%をビットコインなど暗号資産で保有し、リスク分散とインフレ対策を図ります。
Q. 誰が法案を提出した?
A. 自由党(PL)のエロス・ビオンジーニ下院議員が2024年11月に提出しました。
Q. 中央銀行はどんな立場?
A. ブラジル中央銀行は準備資産に暗号資産を含めるのはリスクが高いと慎重姿勢を示しています。
Q. 可決すれば投資家にどんな影響?
A. 国家需要が増えBTC需給が締まり価格押上げ要因となる一方、政策リスクによる変動も高まります。
■ ニュース解説
ブラジルのBTC準備金構想は、インフレ対策と脱ドル化を掲げつつも、市場変動と財政への影響が大きな課題です。国際機関の理解を得られるかが可決のカギになります。
投資家はどう動く?
- 法案進展で短期的なBTC買い材料
- 可決には複数段階の採決が必要で時間軸は中期
- 国家需要は需給を底上げする一方、否決リスクも視野
本記事は情報提供を目的としたもので投資助言ではありません。
(出典:Livecoins,Portal da Câmara dos Deputados,Cointelegraph)