日本企業のビットコイン購入と株価急騰

要約

日本企業 ビットコイン購入 が加速、メタプラネットは 1 万 BTC 突破
リミックスポイントなど小型株は発表直後に 株価2〜5倍 へ高騰
gumi など中型株は影響限定的、事業多角化がカギ
SBC ほか一部企業は 保有比率が小さく株価反応も軽微
各社の狙いは「円安・インフレヘッジ」+「企業価値最大化」

メタプラネット──“日本版マイクロストラテジー”の快進撃

2024 年 4 月に BTC 投資を宣言し、発表2日で株価 +90 %。追加購入を重ね 2025 年 6 月には 累計 1 万 BTC を突破、株価は発表前の約4倍。円安リスクを避けつつ株主価値を高める財務戦略が市場に評価された。

リミックスポイント──1,000 BTC 目標を最速達成

150 億円規模の暗号資産投資計画を 2024 年 9 月に公表。翌日ストップ高、年末には株価5倍。2025 年 6 月、わずか1週間で 保有 1,038 BTC に到達し、さらなる追加取得も示唆。円安ヘッジと Web3 事業の両輪で攻勢をかける。

gumi──ゲーム大手が挑む「ステーキング+長期保有」

2025 年 2 月、10 億円で BTC 購入を決議。株価は発表後 500 円前後で堅調推移。Babylon バリデータ参画により 保有+報酬 の二重収益モデルを構築し、ブロックチェーン投資を本業とシナジーさせる。

ANAP ホールディングス──アパレルから暗号資産へ転進

子会社で 2025 年に BTC 投資を開始、累計 102.9 BTC。追加購入を重ねるたびに株価は倍化し、短期トレンドを牽引。既存事業低迷からの脱却を狙う新規収益軸として注目を集める。

SBC メディカルグループ HD──ナスダック銘柄の慎重投資

10 億円規模の枠を設定しつつ 66 BTC を保有。事業規模に対し取得額が小さく、株価への影響は限定的。財務運用の多様化に留め、コア事業は美容医療。

バリュークリエイション──余剰資金を「デジタルゴールド」へ

2025 年 3 月に購入開始。発表直後は株価2倍超も、その後急落し高ボラ継続。6 月には追加 1 億円決議で 30.38 BTC に到達。小規模ながら長期保有を明言。

AI フュージョンキャピタルG──暗号資産事業参入で乱高下

2025 年 1 月の参入発表でストップ高。3 月、5 億円の BTC 取得決議後もボラティリティが顕著。累計 24.6 BTC と規模は小さいが、30 億円調達で拡大余地を残す。

■ ニュース解説

日本市場では 2024 年後半から 「企業が BTC を財務資産に組み込む」 動きが顕在化。円安進行と米 MicroStrategy の成功例が後押しし、とりわけ小型株で株価インパクトが顕著となった。

  • 短期的: 発表直後の買い人気で急騰するケースが多い。
  • 中長期: 継続的な購入資金確保と BTC 市場の変動が株価を左右。
  • リスク: ボラティリティ上昇に伴う投資家保護・開示の重要性が増大。

今後は、①安定的な資金調達力、②ビットコインと本業のシナジー創出、③透明性の高いガバナンス――を備えた企業が、持続的な株主価値向上を実現できるかが焦点となる。