▽ 要約
ビットコイン…10万ドル割れ、1日で時価総額25兆円級蒸発
イーサリアム…3,200ドル割れでアルトに連鎖安、清算加速
規制…政権は「戦争終結」掲げ市場構造法案の年内可決を示唆
企業…メタプラネットがBTC担保で$1億借入、追加取得へ
ビットコイン 市況は急変し、BTCは10万ドル割れ・ETHは3,200ドル割れとなり、政策・企業ニュースがフローとセンチメントを左右した。
相場の急落は「どこまで」か、投資家の最大の関心です。11月5日はBTCが10万ドル割れ、ETHも3,200ドル割れと二桁規模の清算が発生し、ビットコイン 市況は短期リスク優勢に傾きました。一方で、ホワイトハウスは対クリプト政策の正常化を強調、国内外の取引制度も整備が進行中です。本稿では、当日の価格・需給・規制・企業動向を横断し、どこにボラティリティ収束の糸口があるかを解説します。
市況総括
急速なドル高と清算連鎖が重なったため、BTCは10万ドルを割れ、ETHも3,200ドルを割り込み時価総額は1日で約$2,500億縮小した。
清算はデリバティブのレバレッジ縮小と流動性の薄さが同時に進んだ局面特有の挙動です。朝方にかけてBTCが10万ドル近辺で断続的にロングが掃かれ、ETHは節目の3,200→3,100ドル帯まで滑落。短期の恐怖指標は跳ね上がり、板の厚みは一時的に後退しました。アルトは高ベータ銘柄中心に下げ幅が拡大し、相対的にはSOL系の板厚が健闘する場面も見られました。
レンジ・需給の見方
週初からの下押しで、現物は売り指値が上に積み上がったため戻りが鈍化し、先物は資金調達率のマイナス転化でショートカバー余地も生まれた。
短期では10万〜10万5,000ドルに戻り売りが厚く、9万6,000〜9万8,000ドルでの現物拾いとアルトの相対強弱観察が基本線です。清算規模が一巡すれば、米金利とドル指数の頭打ちを待ってテクニカルな自律反発の余地が出ます。
規制・政策アップデート
政権は「戦争終結」を掲げデジタル資産の近代化を強調したため、制度不確実性プレミアムの低下が中期的には見込まれる。
足元はSNAP給付発言の揺り戻しなど政治ノイズもあり短期ボラには注意が必要です。年内の市場構造法案の行方や、タリフ・外交イベントの見通しは引き続きセンチメントのスイング要因です。
企業・資金調達・プロジェクト動向
メタプラネットがBTC担保で$1億の借入を公表したため、国内上場企業によるバランスシート戦略の多様化が進む可能性がある。
オーストラリアではブラックロックが「iShares Bitcoin ETF（ASX：IBIT）」を11月中旬上場予定と伝えられ、リージョンETFの裾野拡大が見込まれます。手数料0.39%とされ、低コストアクセスの潮流継続が示唆されました。
Solanaのダークプール型DEX「HumidiFi」が存在感を高め、HyperliquidのMMフレンドリー設計も議論の的に。マイクロストラクチャの差がボラ局面の流動性差に直結している点は留意です。
セキュリティ／DeFi
Balancer V2関連の大規模被害の事後分析が相次いだため、古いプール資産・派生プロトコルへの波及リスクを再確認する動きが強まった。
イベント
米中・対外通商を巡るヘッドラインが増加しているため、金利・為替・コモディティ連動でクリプトのボラが跳ねやすい地合いが続く。
▽ FAQ
Q. BTCは当日どこまで下落しましたか？
A. 10万ドルを割り込み9万9,000ドル台まで下落、清算が拡大しました（2025-11-05）。
Q. ETHの節目は？
A. 3,200ドル割れで3,100ドル台を試し、アルトに連鎖安が波及しました（2025-11-05）。
Q. メタプラネットの借入目的は？
A. $1億をBTC追加取得、インカム事業、必要に応じ自己株取得へ充当としています（約153億円）。
Q. 規制面のトーンは？
A. 政権は「戦争終結」を掲げ、デジタル資産の市場構造整備と年内法案可決を目標にしています。
Q. DeFiでの懸念点は？
A. Balancer V2関連で$1億超被害の分析が公表され、旧式プールやフォーク先の脆弱性が論点です。
■ ニュース解説
相場急落はレバレッジ清算の連鎖と流動性後退が重なったため短期リスクが前面化した一方で、政策面は規制近代化と市場構造整備が進む見通しです。
投資家の視点：レバレッジ縮小と板厚の回復を待つ姿勢を基本に、10万ドル近辺の現物需要と主要ETFの資金フロー、規制進展のマイルストーン（法案・ガイダンス）を定点観測しましょう。
※本稿は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。
（参考：U.S. Treasury,The White House,The Block）
