【9月】ビットコイン最新ニュース総覧

▽ 要約

タイDV8:新CEOにファン氏、ビットコイン財務戦略へ転換
エルサルバドル:政府主催「Bitcoin Histórico」を11/12–13開催
ソロマイナー:ブロック910,440で約37万ドルの報酬
トランプ企業:TMTGが約20億ドルのビットコインを計上
S&P500:Strategyの採用観測と機関マネー流入期待

「今月の重要トピックは何か」を短時間で把握したい読者に向け、2025年9月時点のビットコイン最新ニュース 2025年9月を一次情報で整理する。企業財務・国家イベント・マイニング・オンチェーン・制度資金の動向を横断し、投資判断の材料になる数字と日付を最短で解説する。

タイDV8、「タイ版マイクロストラテジー」へ

DV8はワラント大量行使で資本を厚くし、経営陣を再編したため、ビットコイン財務戦略へ本格転換が現実味を帯びた。
7月のDV8-W2行使は302,011,057株・行使価格0.80バーツで、登録資本+181.21百万バーツ、資本剰余金+60.40百万バーツ、合計約241.61百万バーツの資金インフローが生じた。8月下旬に取締役大幅交代、9月にSora Ventures創業者ジェイソン・ファン氏がCEO就任を公表し、会長にCP系のチャチャワン・ジアラバノン氏が就いた。

体制とガバナンスの要点

ワラント最終行使が完了し発行株式が約16.22億株へ増加したため、手元流動性と自己資本の増強によりトレジャリー運用の準備が整った。一方で大型TO(公開買付)と役員交代を伴うため、開示・内部統制の即応が重要となる。

関連:企業のビットコイン保有が加速 9月初旬の5論点

エルサルバドル、「Bitcoin Histórico」を政府主催で実施

同国の国家ビットコイン局が主催する初の政府公式会議を11月12〜13日にサンサルバドル中心部で開催するため、国家主導のコミットメントを世界に可視化できる。
会場は国立宮殿・国立劇場・国立図書館(BINAES)と中央広場で、基調講演は広場の大型LEDにも同時配信され、家族参加型の教育・文化プログラムも併設される予定。

ソロマイナー当選事例が相次ぐ

ネットワークの大規模化が進む一方、ソロCKpool経由で個人にも稀に大当たりが生じるため、採掘は“宝くじ性”を帯び続ける。
8月17日のブロック910,440は3.125BTCの補助金と約0.012BTCの手数料で合計3.137BTC(約37万ドル)を獲得。2025年には2月の883,181、7月4日の903,883などでも30万〜35万ドル規模の報酬が確認された。

米トランプ関連企業、ビットコインを大量取得

TMTGは5月に株式と転換社債で約25億ドルの資金調達を決定し、その原資でビットコイン購入を進め、7月時点で取得累計が約20億ドルに達したため、バランスシート上のビットコイン保有を明確化した。
同社はSECに関連書類を提出し、資金の主要用途としてビットコイン購入を明示。関連企業や周辺グループでも暗号資産戦略の前進が報じられ、政財界双方に波及する。

Strategy(旧MicroStrategy)、S&P500採用観測

社名を“Strategy Inc”に変更し、Q2 2025に純利益100億ドル超を計上して採用基準を満たしたため、9月上旬の定例見直しで指数委員会の審査入りが見込まれる。
同社のビットコイン保有は約59.7万BTC規模(6,500〜7,000億ドル相当)と推計され、採用が実現すればインデックス連動の受動的資金を通じた間接的なビットコインエクスポージャーが数十億ドル規模で生まれる可能性がある。

オンチェーン:10万ドル台でも進む蓄積

価格が10万ドル超を維持する局面でも、100BTC以上保有アドレス数は2025年に過去最高を更新したため、クジラ層のアキュムレーションが継続している。
グラスノードの該当指標は夏場にATH圏へ到達し、長期保有コイン比率も高水準を維持。供給のロックアップが進むことで、下押し局面でも構造的な売り圧力の限定要因となり得る。

豪州:Coinbase/OKXが年金(SMSF)市場に本格参入

4.3兆豪ドル規模の年金市場のうち、自主管理年金(SMSF)でデジタル資産の組み入れが伸びているため、大手取引所が税務・会計・カストディを一体化した導入パッケージを展開する。
Bloomberg報道ではCoinbaseの専用SMSFサービスに500人超のウェイティング、OKXは6月に先行導入し需要超過とされる。SMSFの暗号資産残高は2021年比で約7倍(約17億豪ドル)に拡大との推計もある。

▽ FAQ

Q. DV8はいつ・いくらを調達し、誰がCEOに就任?
A. 2025年7月に約2.42億バーツを確保し、9月にジェイソン・ファン氏がCEO就任。CP系のチャチャワン氏が会長に就いた。

Q. エルサルバドルのBitcoin Históricoはいつどこで開催?
A. 2025年11月12〜13日、国立宮殿・国立劇場・BINAES・中央広場で政府主催の公式会議として実施される。

Q. ソロマイナーの当選確率と今回の規模は?
A. CKpoolの小規模参加者は“1日約数千分の1”の当選と評され、910,440では3.137BTC(約37万ドル)を獲得した。

Q. TMTGはどの程度ビットコインを取得し、原資は?
A. 5月の株式+転換社債で約25億ドルを調達、7月公表で約20億ドル相当の取得到達を示した。

Q. StrategyのS&P500入りが市場に与える影響は?
A. 採用時は受動的資金が同社株へ流入し、数十億ドル規模の間接的なビットコイン需要創出が期待される。

■ ニュース解説

企業の財務戦略転換(DV8・TMTG)と国家イベント(エルサルバドル)が同時進行したため、現物需要の厚みと制度的受け皿(S&P500観測・年金マネー)拡大が重なり、市場の強気基調が構造化している。
投資家の視点:①資本政策/開示が整う企業の財務BTCはボラ耐性が高い傾向、②指数・年金の制度導入は遅効性の資金流入を生みやすい、③一方でソロ採掘の“当たり”は希少事象で収益の再現性は低い。価格は10万ドル台での調整も想定し、現物・デリバティブ・金利のポジション管理を分離するのが無難。

※本稿は投資助言ではありません。

(参考:National Bitcoin Office(Bitcoin Histórico 公式),タイSEC,DV8 公式