10月7日:BTC ETF流入増、BNB最高値

▽ 要約

ETF流入 米BTC現物ETFが週次32.4億ドルの純流入で上昇を主導。
デリバティブ デジタル資産商品は59.5億ドル流入で過去最大を更新。
アルト BNBが1,200ドル突破で史上高、上場トピックも相次ぐ。
エコシステム TONに元Nike/Apple幹部、著名投資家のETH取引も話題。

個人投資家の関心は「なぜ上がったのか」に集約されるが、10月7日の答えはビットコインETF流入にある。週次で32.4億ドルの純流入が需給を締め上げ、BTCは12.4万〜12.6万ドル帯へ。BNBの史上高や新規上場・エアドロップも相まって、資金の連鎖移動が広がる局面だ。

市況:BTCは12.4万〜12.6万ドル、ETF主導の上昇

ETFの週次純流入が32.4億ドルで史上2位となり、BTCは12.4万〜12.6万ドル台を回復したため、上昇の主因は現物ETF需給に求められる。
米SoSoValue集計では、米国時間9月29日〜10月3日の週に現物ETFへ32.4億ドルの純流入が入り、IBITが18.2億ドル、FBTCが6.92億ドルで先導した。ETF総純資産は1,645億ドル、ビットコイン時価総額に対する比率は6.74%、累計純流入は600.5億ドルに達した。

一方、コインシェアーズの週次レポートは、デジタル資産投資商品全体で59.5億ドルの資金流入と公表し、過去最大を更新。BTCに35.5億ドル、ETHに14.8億ドルが入り、米国流入は50億ドルで主導、運用資産残高は過去最高の2,540億ドルとされた。

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フロー分解:ETFが価格高値更新の原動力

現物ETFへの流入が需給を締め上げたため、スポット主導の高値更新が起きた。
週次フローの加速は、取引高・純資産の双方で過去最高圏を示す。とりわけIBIT/FBTCのシェアが大きく、ETF経由の機関マネーがスポット価格の上げ幅を規定している点が今回の相場の特徴だ。

アルト・取引所:BNBがATH、上場とエアドロが資金回転を促進

BNBが1,200ドルを突破し史上高を更新したため、バイナンス関連トピックと新規上場・配布イベントがセンチメントを押し上げた一方で、出来高の信頼性を巡る議論も残る。

BNB:1,200ドル突破で史上高

自社トークンの強含みはエコシステム滞留資金の回転を促し、CEX/DEXの出来高にも波及した。BNBは10月6日に1,200ドル超で高値を更新し、24時間で約+2.4%、時価総額は約1,661億ドルに達した。

Aster(ASTER)上場とデリスティング論争

バイナンスは10月6日12:00(UTC)にASTERを上場し、USDT/USDC/TRYのペアを開設したため、関連セクターへの資金流入が観測された。一方でDefiLlama創業者0xngmiは、Asterの出来高に洗練取引疑惑が払拭できないとして関連データの除外を表明した。

Binance Alpha:LYN配布とPIPE上場予告

バイナンスAlphaではEverlyn AI(LYN)のフェーズ1配布が開始され、開始18時間は211ポイント以上、残り6時間は190ポイント以上から参加可能で、申請には15ポイント消費という設計が採られた。さらにPipe Network(PIPE)は10月8日に初上場予定で、Alphaポイントによる申請が可能とされた。

エコシステム・人物:TON人事、クジラ資金移動、著名投資家の取引

TONのマーケティング体制強化やETHクジラの大口移動、著名投資家のOTC取引が確認されたため、資金と人材の流入が継続している。

TON:元Nike/Appleのマーケ幹部がCMO就任

TON財団はGerardo Carucci氏をCMOに迎え、Telegram基盤の成長戦略を加速させる方針を示した。エコシステムは24年の急伸後に冷却したが、資金・人材の呼び込みで次の波に備える構えだ。

ETHクジラ:Bitfinexへ1.5万ETH送付

2019年に12.3万ETHを引き出したアドレスが、10月6日に1.5万ETH(約6,822万ドル)をBitfinexへ送付し、残高8.5万ETH(約3.91億ドル)を保持する。利確・交換需要の高まりを示唆する動きだ。

アーサー・ヘイズ:113.7 ETHをOTCで取得

オンチェーン監視によれば、アーサー・ヘイズ氏はGalaxy DigitalのOTCで113.7 ETH(約52万ドル)を取得した。氏はDAT・ステーブルコイン・Perp DEX競争についても示唆的な見解を示している。

▽ FAQ

Q. ビットコイン現物ETFの週次純流入(直近週)は?
A. 9/29〜10/3に32.4億ドルで史上2位。IBITが18.2億ドル、FBTCが6.92億ドルと先導。

Q. デジタル資産投資商品の資金動向は?
A. コインシェアーズ週次で59.5億ドル流入、AUM2,540億ドルで過去最高水準。

Q. BNBの最新高値は?
A. 10月6日に1,200ドル超でATH。24時間で約+2.4%、時価総額1,661億ドル。

Q. ASTERの上場条件は?
A. 10月6日12:00(UTC)に上場、ASTER/USDT・USDC・TRYのスポットが取引開始。

Q. 直近の大型オンチェーン動向は?
A. 1.5万ETHがBitfinexへ移動し、当該アドレスは8.5万ETHを継続保有。

■ ニュース解説

ETFへ32.4億ドルが週次で流入したためBTCは12.4万〜12.6万ドルに乗せ、一方でBNBの史上高や新規上場・配布が資金回転を促進した。規制・人事面でも香港SFCやTONに動きが見られ、中期の資金呼び込み土壌が整う。
投資家の視点:ETFフローとAUMの推移を優先指標とし、短期は出来高・清算・上場イベントのカレンダーでボラを管理。中期はETF比率の上昇とマクロ金利見通し、プロジェクトのファンダ(人材・資金・利用)を点検し、分散とポジションサイズで下振れリスクに備える。

※本稿は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

(参考:PANews