【要約】
・トランプメディアが約25億ドル相当のビットコイン(BTC)を資産に組み入れる計画を発表
・6つの主要指標によると、2025年末にビットコインが21万〜23万ドルに到達する可能性あり
・ラスベガスで開催されるビットコイン2025大会では、副大統領J.D.万スが初めて公の場で演説予定
・周線MACDなど複数のテクニカル指標が強気シグナルを点灯
・著名トレーダーJames Wynnは5676BTCをロング保有し、清算価格は10万8,010ドル
トランプメディアのビットコイン導入計画
2025年5月27日、Trump Media(トランプメディア・テクノロジーグループ)は、約25億ドル相当のビットコインを同社の財務安定と長期的価値保全のために組み入れる方針を明らかにしました。CEO兼会長であるDevin Nunes氏は、ビットコインを「金融自由の頂点をもたらすツール」と位置づけ、Truth Socialなど同社プラットフォームでの決済や関連トークンの活用を視野に入れていると述べています。
6大指標が示すビットコインの可能性
以下の6つの指標を元にした分析によると、2025年末までにBTCが21万〜23万ドルに到達するという見通しが示されています。
- MVRV Z-Score
- 現在は2〜3の中立圏で、歴史的ピークの7〜9からは遠い水準。過去のサイクルと同様に、さらなる上昇余地があると指摘されています。
- Energy Value Oscillator
- ハッシュレート×エネルギー効率から導かれる公正価格は、2025年時点で約13万〜15万ドル。価格がこの指標を大幅に上回る局面が見られれば、過熱の可能性も示唆されます。
- Bitcoin Heater(デリバティブ指標)
- 現在0.6〜0.7で、過去のバブル水準1.0には達していないため、まだ終局の熱狂とはいえないとの見方があります。
- マクロ指数振荡指標
- +0.7前後を示しており、拡張局面の中期に位置。指標が2.0以上に達すると天井圏の可能性が高まるとされています。
- Volume Summer(出来高・流動性)
- 中程度のプラス水準で、資金流入が戻りつつあるが、依然ピークには達していない状況。
- 未平倉ポジション/時価総額(OI/Mcap)
- 3.5%付近で、2021年の2〜3%よりは高水準。4〜5%を超えると過度なレバレッジが市場の不安定要因となる可能性が高まると指摘されています。
ビットコイン2025大会の注目点
5月27日〜29日にラスベガス・ベネチアンにて「ビットコイン2025大会」が開催され、30,000人超の参加者が見込まれています。最大の注目は、副大統領J.D.万ス氏が5月28日(米国時間)に行う基調講演です。万ス氏は議員時代からビットコイン支持を表明しており、SECによる規制強化に対しても批判的な立場を取ってきました。
同大会では、共和党関係者や著名投資家が一堂に会し、過去にも開催時期前後で大きな値動きが見られた例があります。ただし、歴史的には大会前後で短期的な価格下落が起きるケースもあり、注意が必要との分析結果も報告されています。
BabyDogの話題
本大会には、米国上院議員ジム・ジャスティス氏の愛犬「BabyDog」も登場予定と伝えられており、「西ヴァージニア政界のアイコン」として共和党支持者の間で話題を集めています。
マクロ要因と現在の相場観
- 11万ドル突破とM2拡張
一部では、ビットコインがすでに11万ドルを突破したと報じられ、M2(マネーサプライ)拡張との高い相関性が注目されています。M2が増加する局面では、ビットコインに代表される暗号資産市場にも資金が集まりやすいとする分析が有力です。 - テクニカル指標の強気転換
周線MACDや200日移動平均線、RSIなどの複数指標が上昇局面を示唆。ただし、過去にはRSIが長期間にわたって「買われ過ぎ」水準に滞在した例もあり、過熱感の見極めが投資家には求められます。
注目トレーダー:James Wynnのロングポジション
Lookonchainの報告によると、著名トレーダーJames Wynn氏は現在5,676BTC(約6.23億ドル相当)のロングポジションを保有しており、清算価格は10万8,010ドルに設定されています。市場価格が1.53%下落すると清算リスクが高まるため、その動向が注目の的です。
ニュースの解説
今回の一連のニュースは、ビットコインに関する大規模な導入計画(トランプメディアの事例)や、2025年に向けた複数指標の上昇シナリオなど、強気材料が目立つ内容となっています。一方で、ビットコインは過去の大会開催時期に短期的な調整局面も経験しており、過度な期待に基づく急騰はその後の急落を招きやすいリスクがある点も見逃せません。市場は政治家や大企業による支持表明を好感する反面、デリバティブ取引やレバレッジ拡大が進むことで急変動が起きる可能性もはらんでいます。
投資家は各種指標の動向や重要イベントの時期を注視しながら、冷静に投資判断を行うことが求められるでしょう。ビットコイン(BTC)は常に市場の関心を集める存在であり、新たなマクロ要因や規制動向がどのようなインパクトをもたらすかを注意深くチェックすることが重要です。