$BERAローンチ直前!Berachainエコシステム徹底解剖:PoLメカニズムから注目プロジェクトまで

  • 2025/2/5

【要約】
Berachainは独自のPoL(Proof of Liquidity)メカニズムを採用するレイヤー1ブロックチェーンです。バリデーターや流動性提供者、各種プロトコル間の利害を巧みに一致させる構造を持ち、リリース前の段階から多くのプロジェクトがテストネットに参加しています。主力となるDEXや流動性ステーキング、レンディング、デリバティブ、さらにはLaunchpadやコミュニティ中心のプロジェクトなど、その「Berachainエコシステム」全体が非常に活発です。本記事では、Berachainの主な特徴と主要プロジェクトを紹介しながら、PoLメカニズムを軸とした複雑なエコシステムをわかりやすく解説します。

はじめに:Berachainの概要と現在の状況

Berachainは、PoL(Proof of Liquidity)という特徴的なコンセンサス機構を採用するレイヤー1チェーンです。いわゆるPoS(Proof of Stake)の派生形にも見えますが、大きな相違点として「エコシステムへの流動性提供によってバリデーター報酬が分配される」仕組みを備えている点が挙げられます。
現在は第2段階のテストネット「bArtio Testnet」が稼働しており、既に200を超えるプロトコルが参加、さらに約238万ものウォレットがテストに参加していると公式サイトで公表されています。2024年末から「Q5(いわゆる第5四半期)でのメインネットローンチ」を示唆する発言もあり、コミュニティの期待感は一段と高まっています。

DEX:多彩な流動性提供で競争が激化

BerachainにはネイティブDEXとして「BEX(正式名称BeraSwap)」が存在し、PoLメカニズムの円滑な運用を後押しします。BEXの稼働を見据え、同チェーン上で稼働準備を進める様々なDEXがユーザー獲得のために多彩な機能や戦略を打ち出しています。

Kodiak

  • 概要:Berachainのインキュベーションプログラム「Build a Bera」で誕生したDEX。
  • 特徴:Uniswap v2的な全価格帯プールに加え、Uniswap v3の集中流動性機能(CLAMM)も提供。Island機能により、集中流動性ポジションの範囲再設定を自動化し、煩雑な管理を軽減。
  • PoLメカニズムとの連携:自前のノードを運営し、バリデーターとして多くのBGT(テストネット報酬)を獲得。Island機能を通じて得たLPトークンをさらにほかのプロトコルに展開できる仕組みも整備。

Honeypot Finance

  • 概要:トークン発行から流動性提供、取引までトータルにサポートするマルチプロトコル。
  • Henlo DEX:MEV対策やバッチ注文を取り入れた仕組みを提供。
  • Dreampad:Berachain上でローンチするプロジェクトのインキュベーションと資金調達を行うLaunchpad。
  • Pot2Pump:ミームコインに特化した発行プラットフォーム。未達成時のリファンド機能など安全性を重視。
  • PoLとの連携:将来的にバリデーターとして運用し、獲得したBGTを独自トークン$HPOTの買い戻しや流動性強化に活用予定。

流動性ステーキング:PoLをどう活かすか

PoSチェーンで一般的な「流動性ステーキング」は、Berachainにおいてはやや特殊な形を取ります。というのも、同チェーンのPoL構造自体に「流動性を預けるとネットワーク報酬が得られる」という性質が組み込まれているからです。とはいえ、各プロトコルではバリデーターとの協業や独自ノード運営、LPトークンの2次利用など工夫を凝らしています。

Infrared

  • 概要:Kodiakとの共同インキュベーションで開発された流動性ステーキングプロトコル。
  • 仕組み:ユーザーから預かったLPトークンを用いてBGT報酬を取得し、$iBGTとして還元。
  • 利点:得た$iBGTを再度ステーキングや別プロトコルへ展開でき、PoLリワードを二重三重に活用可能。

BeraPaw

  • 概要:流動性提供者から預かったBGTをまとめ、報酬と投票権を分離。
  • 二重トークン設計:1) $LBGT(報酬受取用)と2) $PAW(Emission投票用)を分けることで、高い資本効率を実現。
  • 意義:新興プロトコルは$PAWを購入することで、比較的少ないコストでBGTインセンティブ枠を確保できる可能性がある。

レンディング:PoL報酬のレバレッジ活用

Berachainにはネイティブレンディング「BEND」が用意され、$WBTCや$WETHを担保にステーブルコイン$HONEYを借りる形が想定されています。特筆すべきは「$HONEY自体は担保にならない」「$WBTCや$WETHの預け入れに利息がつかない」などの点で、$HONEY借り手にBGT報酬を付与する構造がユニークです。

BeraBorrow

  • 概要:$NECTという独自ステーブルコインを発行するプロトコル。LPトークンや$iBGTなど多様な資産を担保にできる。
  • 特徴:担保にしたLPは自動でInfraredに預けられ、そこでさらにBGTを獲得し再投資される。
  • 狙い:プロトコルの報酬をさらにDEX流動性へ還元、$NECTおよび$iBGTの流動性を向上させ、エコシステム内での重要度を高める。

Gummi

  • 概要:オラクルレスで誰でも借貸プールを作成できるプロトコル。
  • 注目点:最大100倍のレバレッジポジション構築や、Infraredの$iBGTなど多様なトークンを担保に利用できる予定。
  • 意義:PoLメカニズムを梃子にした追加報酬の拡大が期待され、多角的なレバレッジ戦略が可能。

デリバティブ:PoLの付加価値を高める領域

Berachain上では、公式が用意するPerp DEX「Berps」など、すでに複数のデリバティブプロトコルが準備を進めています。$HONEYを用いた100倍レバレッジや単体ステーキングによる$BGT獲得など、参入ハードルを下げるメリットも注目点です。

SMILEE

  • 概要:オプション取引のプロトコル。流動性提供ポジションの無 impermanent loss(IL)対策として期日までの価格変動幅を買う「微笑(Smile)」など独自商品を展開。
  • 期待:Berachainエコシステム全体でLPポジションにBGT報酬を得る動きが活発化する中、SMILEEによるヘッジ需要も高まる見込み。

Exponents

  • 概要:逆Bonding Curve(IBC)を採用した独自の合成資産発行プラットフォーム。
  • 特徴:ポジションが清算されないレバレッジを実現するほか、PoLメカニズムによるBGT報酬を合成資産のインセンティブとして組み込める。

その他のプロトコル:多彩なユースケース

Berachainエコシステムでは、NFTやミーム文化との結びつきも強く、純然たるDeFi以外にも個性的なプロジェクトが数多く存在します。

Goldilocks

  • 概要:NFT担保のレンディングから利息トークン化まで、さまざまなDeFi機能を一括提供するDAO的プラットフォーム。
  • 注目機能:OT(元本権利)とYT(利息権利)に分割する仕組みは、Berachain特有のマルチ報酬構造とも相性が良いと期待。

Beradrome

  • 概要:LPトークンをプロトコルで集約して投資先のリワードを獲得し、ユーザーに再分配する仕組み。
  • 3種類のトークン:$oBERO(投票権付与)、$BERO(裏付け1 $HONEY超維持)、$hiBERO(ガバナンス報酬)で役割を分担。
  • 意義:強力な飛輪効果を狙い、Berachainエコシステム全体の流動性を巻き込みながら拡大を目指す。

Yeet

  • 概要:$BERAを使ったオンチェーン・ゲーム型のベッティングプロトコル。最後に入金したユーザーがプールの80%を獲得。
  • 拡張機能:Yield金庫を運用する「Liquidity Trifecta Vault」や、新トークンをディスカウント販売する「YeetBond」など多角展開。

Ramen

  • 概要:Berachain版Launchpad。固定価格方式と価格探索方式の2パターンを提供し、新規プロジェクトの資金調達をサポート。
  • Airdrop Recipes機能:空投基準の自動設定・実行が可能。ベアマーケットでも有望プロジェクトのコミュニティ拡大が見込める。

PuffPaw

  • 概要:Vape(電子タバコ)でEarnするというユニークなプロジェクト。デバイス使用データを保険会社・AI企業に販売し、$VAPEトークンを買い支えるというビジネスモデル。
  • 特徴:装置リース機能により、吸わない人も投資形態で参加可能。PoLによる追加報酬導入も検討中。

コミュニティ戦略とPoLの融合

BerachainのPoL構造では、より多くのBGTや流動性を抱えるほどノード運営やEmission投票などで優位に立ちやすいため、「コミュニティによる結束」が極めて重要です。

The Honey JAR

  • 概要:Honeycomb NFTを中心に発展してきたコミュニティ主導型グループ。現在は89以上のプロトコルと協業または関係を持つ。
  • 活動内容:テストネット用Faucet提供やエコシステム関連教育を行い、さらに複数プロジェクトとの提携でNFTホワイトリストやトークンエアドロップを実施。
  • 影響力:bArtio TestnetではInfraredやKodiakに続く3位のBGT委任量を獲得。コミュニティ型プロジェクトがエコシステムで大きな影響力を持つ例となっている。

メインネットローンチに向けた展望:Boyco・RFA・RFC

Berachainは、Boyco(流動性提供プラットフォーム)やRFA/RFCプログラム(貢献度の高いプロジェクトに$BERAを配布)などの施策を通じて、メインネット稼働と同時にエコシステムを一気に拡大させる狙いがあります。

  • Boyco:メインネット前にプロトコル側と流動性提供者をマッチング。将来の報酬分配計画を透明化し、流動性確保を早期に促進。
  • RFA/RFC:エコシステム構築に寄与するプロジェクトへ直接トークン配布。初期流動性やユーザー獲得のインセンティブとして機能。

実際に2025年2月時点では、BoycoのPre-Boyco金庫やRFA/RFC向けの準備金に相当する2%の$BERA初期供給量が用意され、テストネットだけで20億ドル超の預け入れが集まったとの報告もあります。これがメインネット開始とともに本格的に流入すれば、BerachainのTVLは一気にトップクラスへ踊り出る可能性があります。

もっとも、巨額の報酬と複雑なDeFi仕組みを組み合わせるPoLモデルが長期的に持続可能かどうかは未知数です。しかし、ローンチ前にもかかわらず、これだけ豊富なプロトコルとコミュニティ活動が活発化している事例は他チェーンでも稀であり、Berachainエコシステムの行方は今後の暗号資産業界で大いに注目されるでしょう。

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