▽ 要約
イーサETF:8/11に純流入10.19億ドルで過去最高。
ビットコETF:同日は1.78億ドルの純流入。
マクロ:米7月CPIは総合2.7%、コア3.1%。
ユニスワップ:DUNI提案で手数料機構に前進。
機関資金の軸足がETHに傾き、ETH現物ETFは8/11に単日10.19億ドルの過去最高流入となった。米7月CPIは2.7%で利下げ観測を大きく崩さず、主要プロトコルではUniswapがDUNI構想で法的整備を進める。8月13日 仮想通貨ニュースを短時間で把握できるよう、資金フロー・マクロ・開発動向を要点を解説する。
ETH現物ETF:過去最高の単日10.19億ドル流入
ETFへの資金回帰が鮮明となり、8/11のETH現物ETFは純流入10.19億ドルと上場来最高を更新した。
BlackRockのETHAに約6.40億ドル、FidelityのFETHに約2.77億ドルが入り、残余は他8本のETFに分散した。資金は主に米時間前半に集中し、出来高も拡大。累計純流入は100億ドル超に乗せ、機関のETHエクスポージャー拡大が確認された。
保有量の推計とパッシブ化
ETFの保有ETHは約600万枚と推計されるため、流通供給の約5%がパッシブに固定化しつつある。
第三者集計によれば、ETH現物ETFの推定保有は約600万ETH(流通の4.96%)に達し、さらに企業等の「ETHリザーブ」約70主体が合計約349万ETHを保有する。受益権のパッシブ化は短期の売り圧縮と流動性の質的変化をもたらしやすい一方、リバランス局面では逆回転のリスクもある。
BTC現物ETFとの対比
同日のBTC現物ETFは1.78億ドルの純流入にとどまったため、資金配分は相対的にETHへ傾斜した。
8/11のBTC現物ETFではIBITが+1.38億ドルと主導する一方、他ETFは小幅にとどまった。直近はETHテーマ(ETF新規性・手数料低下・機関導入)が相対的に強く、短期の資金循環がETH優位に働いている。
マクロ:米7月CPIは2.7%・コア3.1%
インフレ指標はディスインフレ基調が続いたため、9月以降の利下げ観測を大きく変える材料にはなりにくい。
米労働統計局の7月CPIは前月比+0.2%、前年比+2.7%、コアは前年比+3.1%。エネルギーと一部サービスが上振れする一方、財の価格鈍化が全体を抑制。実質金利はなお高水準で、リスク資産の支援度合いは「緩慢な追い風」にとどまる。
プロトコル/規制:UniswapのDUNI構想
Uniswap財団はWyomingのDUNA法に基づく「DUNI」設立を提案したため、DAOの契約・納税・法的責任の明確化が進む。
提案はDAOのガバナンス構造を保ったまま「法人格」を付与し、契約締結・納税・サービス提供者の起用を可能にする狙い。過去分の税務・法務費用として約1,650万ドル相当のUNI充当も示され、将来のプロトコル手数料をDAO金庫に流す前提条件を整えるものだ。
手数料機構の射程
DUNIはUNI保有者への分配を直接認めない一方で、LP手数料の一部をDAO財務に回す設計を可能にする。
プロトコルの収益化は規制・課税・有限責任の整理が前提となる。今回の枠組みはそのボトルネックを解消し、運営の持続性と外部ステークホルダーとの接続性を高める効果がある。
銘柄・エコシステムの主要トピック
名称・上場・助成の動きが相次いだため、個別テーマの催化も散見される。
(1)EOS→Vaulta(A)へ改称・1:1スワップ:OKXなどが対応、開発者向け移行手順も公開。(2)UpbitがCYBERをKRW/USDTで上場(8/12)。(3)Binance Web3 WalletがBitlayer(BTR)販売を8/13に実施。(4)Filecoinが公共財助成ProPGF第1弾で14チームへ計約368万ドルを交付。
▽ FAQ
Q. ETH現物ETFの単日過去最高はいくら?
A. 2025年8月11日に10.19億ドル。ETHAが6.40億、FETHが2.77億を記録。
Q. 米7月CPIの結果は?
A. 総合2.7%、コア3.1%(前年比)。発表は8月12日8:30(ET)。
Q. UniswapのDUNIは何を変える?
A. WyomingのDUNA法に基づく法人格で契約・納税が可能となり、手数料機構の前提が整う。
Q. EOS→Vaulta(A)の移行状況は?
A. Aトークンへ1:1スワップをOKX等が実施。公式ドキュメントで移行手順を公開。
Q. 8/12〜8/13の主要上場・販売は?
A. UpbitがCYBERを上場(8/12)、Binance Web3 WalletはBTR販売(8/13)。
■ ニュース解説
ETH現物ETFが8/11に純流入10.19億ドルで過去最高となり、同日のBTC現物ETFは1.78億ドルにとどまったため、資金循環はETH偏重へ傾いた。一方で米7月CPIは総合2.7%・コア3.1%と鈍化が続き、金融環境は急変しにくいが、イベント通過後の方向感は流動的だ。
投資家の視点:イベント直後のボラ増に備えつつ、ETFフロー・金利期待・プロトコルの制度化(DUNI等)の三点をモニター。短期は需給主導、 中期は制度整備の進捗と収益化設計が評価軸。
※本稿は投資助言ではありません。
(参考:U.S. Bureau of Labor Statistics,Uniswap Foundation)