▽ 要約
要点:JBAが暗号資産を一律20.315%分離課税へ要望
影響:最大55%課税から是正しWeb3競争力強化
五項目:損失繰越・相続・寄附など5項目を包括
政府:2026年度改正大綱で検討へ
暗号資産税制改正要望を掲げる日本ブロックチェーン協会(JBA)は、暗号資産売却益を株式並みの一律20.315%にする“分離課税”を政府に提言しました。現行最大55%という高負担を是正しなければ、Web3人材・企業の海外流出は避けられない――これが同協会の結論です。本稿では要望の背景と影響を整理し、読者が取るべきアクションを示します。
要点一覧
- 分離課税導入が日本Web3産業の鍵
- 高税率・手続き負担が国内プレイヤーの成長阻害
- メリット:投資家の参入拡大、資産形成手段の多様化
提出と政府の動き
要望書は7月18日提出済み、政府も前向き。
JBAは財務・金融当局へ正式提出し、同日記者会見で税制是正の必要性を訴えました。政府側も2025年末の税制改正大綱に盛り込むべく検討を開始しています。
要望の主なポイント
20.315%分離課税と損失繰越が最大の柱。
- 分離課税・損失繰越(3年)
- 相続時評価・取得費加算
- 交換時課税の繰延
- 寄附時の非課税特例
- 特定譲渡制限付暗号資産の扱い見直し
メディアと業界の反応
国内外メディアは税負担是正を“大胆な一手”と評価。
業界各社は賛同し、bitFlyerなど主要取引所は顧客利便性向上に期待を表明しています。
国際比較が示す課題
日本は税率で主要国に大差、流出リスク高。
米国・英国は20%前後、フランス約30%に対し、日本は最大55%。JBA調査でも保有率は米国の3分の1以下です。
今後の展望
2026年度税制改正で導入可否が決着。
年末の大綱入りが実現すれば、翌年4月施行も現実味。投資家・企業は制度設計に備え、税務・財務戦略を刷新する必要があります。
▽ FAQ
Q. JBAが要望する分離課税率はいくらですか?
A. 株式並みの20.315%を提言しています。
Q. 売却損は繰り越せますか?
A. 3年間の損失繰越控除を可能にする要望です。
Q. 相続時はどの評価方法を選べますか?
A. 最終価額と直前3ヶ月平均の低い方を選択する案です。
Q. 交換時課税の繰延とは?
A. 暗号資産同士の交換益を法定通貨に換金するまで課税を繰り延べます。
■ ニュース解説
JBAの要望は、株式や投資信託と同水準の課税環境を整備し、個人の長期資産形成を促進する狙いがあります。これにより、暗号資産市場は短期売買中心から投資・資産形成機能へシフトし、国内Web3企業の資金調達やエコシステム拡大に直結します。一方、税収への影響やマネロン対策など政策的論点も残り、政府・与党内での調整が焦点です。
(出典:jba-web)