コンヴァノが80BTC取得とAIデータセンター参入

▽ 要約

ストラテジー:80BTC取得で購買力防衛策を顕示
ランキング:国内6位・世界83位の保有量に浮上
AI参入:資本金100万円子会社でデータセンター開始
市場反応:株価一時11%高、出来高急増

「ネイル企業がビットコイン?」という疑問に対し、結論から言えば財務のインフレ耐性確保AI分野への成長投資を同時に狙う戦略だ。この記事では、キーフレーズである コンヴァノ ビットコイン AIデータセンター を軸に、経緯・狙い・リスクを整理する。読むことで「なぜ美容企業が暗号資産とAIに賭けるのか」が分かる。

1. ビットコイン大量取得の全貌

1‑1 初回決議と取得目的

コンヴァノは2025年7月17日、総額4億円のBTC購入を取締役会で決議。目的は財務基盤強化と購買力保持で、「投機ではなく円の購買力防衛」と説明した。
同日付で
「ビットコイン保有戦略室」を新設、Web3経験者の東大陽取締役が室長に就任。

1‑2 2段階購入で計79.92BTC

  • 7月22日:22.6289 BTC(約4億円)を平均1,767万円/BTCで取得。
  • 7月24日:57.2931 BTC(約10億円)を平均1,745万円/BTCで追加。累計79.92 BTC、投資総額は約13.9999億円、平均単価1,751万円。

資金は自己資金と社債(Dimensional社向け)で調達。

1‑3 ランキングとポジション

JinaCoinの国内ランキングによると、66 BTCのSBCメディカルを上回り国内6位相当となる。
BitcoinTreasuries.netに登録された79.92 BTCは、公開企業約220社中で83位付近に位置する。

1‑4 株式市場の反応

決議翌日に株価は一時前日比+11%と急伸、出来高も急増した。

2. AIデータセンター参入の概要

2‑1 子会社Convano consultingの設立

7月31日、資本金100万円の100%子会社Convano consultingを通じてAIデータセンター事業を開始すると発表。

2‑2 適時開示で示された事業計画

  • 事業形態:①自社AI特化型DC運営 ②他社DCの運営コンサル
  • 初期投資:人件費・環境整備費計3,000万円
  • 技術要素:数十kW高密度GPUラック、液浸冷却、PPA電源、AIオーケストレーション等。
  • 開始予定:2025年8月1日サービスローンチ。

2‑3 目的とシナジー

同社は「単なる新規事業ではなくグループDX基盤の延長」と説明。自社店舗データのAI解析強化と、余剰GPUリソース外販によるIaaS+コンサル二本柱を狙う。

3. 財務戦略としての関連性

ビットコイン=守り(購買力維持)、AIデータセンター=攻め(成長投資)。両者はデジタル資産×AIという将来の融合ビジネスも視野に入る。資金調達枠(最大601億円の新株予約権)を背景に、暗号資産で内部留保を保全しつつAIへ再投資する「循環型モデル」を描く。

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4. メリットとリスク

4‑1 期待されるメリット

  • BTC含み益による純資産増強
  • AI需要逼迫下でのGPUシェア獲得
  • 美容×AIデータ解析による顧客体験向上
  • 「日本6位のBTC企業」としてPR効果

4‑2 想定リスク

区分主要リスク緩和策(会社開示)
BTC価格高ボラティリティ・IFRS減損マルチシグ保管・四半期残高開示
セキュリティウォレット流出・ハッキング金融機関カストディ+コールド運用
AI事業設備投資負担・競争激化自社DXと外販の二面展開で固定費回収
経営資源本業分散DXによる本業強化と説明

5. 今後の展望

BTC価格が想定通り上昇し、AIセンターが予定顧客を獲得できれば、財務+事業の両輪でレバレッジが効く。逆に暗号資産市況が急変しAI投資回収が遅れれば損失リスクは拡大する。投資家は四半期ごとのBTC残高とAI事業KPI(稼働ラック数・契約容量)を注視したい。

▽ FAQ

Q. コンヴァノが取得したビットコイン量は?
A. 2025年7月22日と24日の2回で合計79.92BTC(約14億円)です。

Q. 購入資金はどこから?
A. 自己資金と約10億円の社債発行、新株予約権行使資金の一部を充当しました。

Q. AIデータセンター事業の狙いは?
A. 自社DXを支えるGPU基盤を確保しつつ、外部企業にIaaSと運営コンサルを提供し収益化することです。

Q. 最大のリスクは?
A. BTC価格急落による評価損と、AIセンターの設備投資回収遅延が挙げられます。

Q. 競合優位性は?
A. 美容チェーンで蓄積した顧客データと店舗オペレーション知見をAI解析に活用できる点です。

■ ニュース解説

本件は日本企業の“ビットコイン財務+AI設備”という先端領域ハイブリッド戦略の代表例だ。株価は思惑で動きやすく、高いボラティリティを孕むものの、同社が四半期毎にBTC残高・AIセンター稼働率を開示すれば透明性が上がり評価余地は残る。投資判断を下す際は、BTC価格感応度とAI設備の資本回収年数を試算し、ポートフォリオの中で許容できるリスク量かを見極めたい。

※本稿は情報提供であり、投資助言ではありません。

(出典:Reuters Japan,tdnet-pdf.kabutan.jp,CoinPost