7月21日 ステーブルコイン規制新局面とETF動向総まとめ

▽ 要約

マーケット概況:ETF資金流入とステーブルコイン規制整備で時価総額上昇基調
リテール投資:ロンドン証取が24時間取引を検討、夜間参加者の需要顕在化
クジラ行動:WBTC・ETHを巡る巨額売買が流動性とボラティリティを左右
トークン供給:AVAILなど来週解禁、短期的な売り圧力に警戒
規制動向:GENIUS法案成立でドルステーブルコインが実用フェーズへ

ステーブルコインを取り巻く規制が固まり、資金流入の受け皿としてイーサリアムETFへの期待が高まっています。読者が抱く「ドル建てステーブルコインは本当に安全か?」という疑問に対し、本稿はGENIUS法案のインパクトと市場の反応を整理し、投資判断に必要な最新情報を提示します。

米GENIUS法案が示すステーブルコインの国家戦略

ドル上場ステーブルコインは米国の通貨覇権を強化し、グローバル決済市場で即時清算を可能にする。

規制の明確化が流動性を押し上げる

法案は準備金管理と発行枠を定義し、CircleやTetherを“特許企業”化。これにより流通規模は数兆ドルへ拡大すると財務省副長官が言及。

金融政策と独立性の綱引き

ホワイトハウスとFRBの主導権争いが予想されるが、最高裁判例によりFRBの独立性は一定守られる。

イーサリアムETFとカストディ革命

VanEckらが先行承認を求める一方、ブラックロックは質権設定で後手。

承認タイムライン

早期組は10月下旬、後発組は26年4月期限。市場は第4四半期決着と観測。

カストディ+質権モデル

質権設定はステーキング収益をETFに組み込む狙い。投資家は伝統資産並みの利回りを期待。

クジラ取引が示すアルファシグナル

WBTC・ETHを巡る大型取引は短期ボラの主要因。

WBTC巨鯨の利確行動

4年前平均10,708ドル建倉のアドレスが90WBTC売却で1001%リターン。なお残高1,400WBTC。

ETH連続ロング勝率100%

アドレス0xd5ffが4日間で6連勝、総利益300万ドル。機関投資家同水準の戦略精度が示唆される。

24時間取引とグローバル流動性

ロンドン証取が24時間化を検討し、個人投資家の夜間需要に応答。

競争圧力が取引所改革を促進

米CBOE・ナスダックも時間延長を検討。暗号取引所の「常時稼働」モデルが株式市場に波及。

来週の大量アンロックと価格影響

AVAILほか5銘柄で総額5,480万ドル相当が市場流入予定。

需給ギャップの短期警戒

特にAVAILは流通量の38.23%が解放。投機資金は「売りでヘッジ、現物で保有」が基本戦略。

▽ FAQ

Q. GENIUS法案が仮想通貨市場にもたらす最大の変化は?
A. ステーブルコイン発行要件を明確化し、米ドル建てステーブルコインの国際流通を促進します。

Q. イーサリアムETFはいつ頃承認される見通し?
A. 早期申請の期限は2025年10月下旬で、市場では第4四半期承認が有力視されています。

Q. WBTCを大量保有するクジラの動向は価格に影響するか?
A. 流動性の薄い時間帯では急落要因ですが、依然1400WBTC残高があり継続監視が必要です。

■ ニュース解説

本稿で扱ったトピックは、規制・流動性・需給・インフラの四象限で整理できる。規制面ではGENIUS法案がドル覇権を「オンチェーン」に拡張。流動性面ではロンドン証券取引所の24時間化が伝統資産の取引速度を暗号水準へ接近させる。需給面ではクジラ取引とアンロックイベントが短期ボラティリティを左右。最後にインフラ面ではETFとカストディが機関資金の入口を拡充し、ステーブルコインが出口(決済)として機能し始める。

(出典:PA一線