BTC

ファッションブランドANAPの衝撃:約2億円相当のビットコイン投資が示す国内企業の新潮流

【要約】
・国内ファッション企業ANAPホールディングスが約2億円相当のビットコイン(BTC)を購入
・ビットコインを「デジタルゴールド」として評価し、戦略的財務資産に組み入れる動き
・国内上場企業でのBTC購入事例が増加中

ANAPホールディングスがビットコインを約2億円分購入

ファッションブランド「ANAP」を展開するANAPホールディングスは2025年4月16日、約2億円相当の仮想通貨ビットコイン(BTC)を購入したと発表しました。購入枚数は16.6591BTCで、取得総額は1億9,997万5,438円に上ります。同社は2025年2月に設立した連結子会社「ANAPライトニングキャピタル」を通じて、これらのビットコインを管理・運用していく方針です。

ANAPホールディングスは1992年に設立され、レディースアパレルやキッズ向けファッションを中心に事業を拡大してきた企業です。東証スタンダードに上場しており、全国の実店舗やオンラインストアを通じて独自のファッションアイテムを提供しています。近年はデジタル領域への積極投資を進めており、2025年2月に投資事業専門の子会社を新設するなど、新たな収益機会の確立に注力している点が特徴です。

なお、同社は今回のビットコイン取得について、「四半期ごとに時価評価し、評価損益は損益計算書へ計上する」と明らかにしており、ビットコインの価格変動が企業の財務状況に直接影響を与える構造となっています。

購入の背景:ビットコインを「デジタルゴールド」と評価

ANAPホールディングスがビットコインに注目した理由として、ビットコインの供給量がPoW(Proof of Work)メカニズムや半減期、発行上限といった仕組みによって厳格にコントロールされ、特定の国や金融機関の影響を受けにくい点が挙げられます。こうした性質から、ビットコインは「デジタルゴールド」と呼ばれ、インフレなどの経済リスクに対するヘッジ手段としての期待が高まっています。

さらに、米国や香港でのビットコインETF(上場投資信託)発行の動きが活発化しており、米国政府が国家戦略レベルで暗号資産のルール整備を検討している点も、今回の投資判断を後押ししました。ビットコインETFが承認されると、市場規模の拡大や流動性の向上が見込まれ、機関投資家や大企業によるビットコイン保有が一段と増える可能性があります。

国内上場企業のビットコイン保有トレンド

日本では、ビットコインを戦略的財務資産として保有する上場企業が近年増加傾向にあります。メタプラネットやバリュークリエーション、gumi、enishなどが相次いでビットコイン購入を発表しており、企業の資金運用における多様化が加速している現状です。

従来は現金や預金、国債、不動産などが企業の主な資産ポートフォリオでしたが、近年の暗号資産市場の成長やブロックチェーン技術の発展により、新たな投資先としてビットコインへの注目度が高まっています。こうした流れは海外企業だけでなく、日本の上場企業においても同様であり、今後も継続的にBTC購入を検討する動きが続くとみられています。

投資戦略としてのビットコイン

ANAPホールディングスによる今回のBTC購入は、単なる短期投資ではなく、企業戦略の一環と考えられます。ビットコインは従来からボラティリティ(価格変動幅)の大きさが指摘されてきましたが、その分、長期的には高いリターンが期待できる資産とも位置づけられています。
また、デジタルトランスフォーメーション(DX)の流れが強まる中、暗号資産への知見を深めることは、自社のブランド価値向上や新事業展開にも寄与すると見る向きがあります。ANAPホールディングスはファッション事業とデジタル領域を組み合わせる形で、新たな顧客体験やサービスを生み出す可能性があるかもしれません。

ANAP株式の動向

今回のビットコイン取得を受け、ANAPホールディングスの株式には買いが集中しているとの報道もあります。4月17日午前の段階で、同社株は買い気配となり、前日比プラスの水準で推移しました。これは投資家が「仮想通貨ビットコインを含む成長市場に資産を振り向ける姿勢」を好感した結果と考えられています。ビットコイン価格の変動は企業の評価損益に影響するため、今後の暗号資産市場の動向が株価にも波及する可能性が高いでしょう。

ニュースの解説

今回のANAPホールディングスによるBTC購入は、国内企業が仮想通貨をコーポレートアセットとして取り入れる動きの一端を象徴しています。コロナ以降、世界的に金融環境は大きく変化しており、ドルや円といった法定通貨だけに依存しないリスクヘッジを求める声が強まっています。そのため、企業が多様な資産クラスに目を向けることは自然な流れといえるでしょう。
特にビットコインは、ブロックチェーン技術に支えられた分散型のネットワークによって成り立ち、その透明性と耐改ざん性が評価されています。半減期や発行上限といった仕組みによって希少性が高まりやすく、“デジタルゴールド”の呼称のもと、有事の際の資産保全策として認識されている面も大きいのです。
今回のANAPホールディングスの動きは、国内外で広がる仮想通貨の導入事例をさらに後押しする可能性があり、今後も企業によるビットコインなど暗号資産の活用が一層注目されることが予想されます。

NFT LABO編集部