▽ 要約
トレンド:altcoin検索は2021年以来の高水準。
イーサ:ETH関心は過去2年で最高圏に上昇。
フロー:米ETH現物ETFが日次10億ドル流入。
市場:BTCドミナンスは58~59%台に低下。
2025年、世界で「altcoin」と「Ethereum」関連の検索関心が最高圏に達し、ETF資金流入や企業財務による採用増と重なって市場が活況化している。Googleトレンドは個人投資家の温度計であり、出来高や資金フローと連動しやすい。本稿ではアルトコイン 検索トレンド 2025を統計に基づき整理し、背景と持続性を検証する。
検索トレンドの急騰と背景
検索関心は2021年以来の高水準となったため、ETF申請・承認や企業のETH/SOL保有拡大と相まって、個人関心と機関マネーの両輪で需要が形成された。
2025年は、(1)米国のETH現物ETFの定着と資金流入拡大、(2)SOLやXRPなど他銘柄の現物ETF「申請ラッシュ」、(3)企業がETHやSOLを財務資産として保有し始めた、という三点が同時進行した。検索トレンドは絶対件数ではなく相対指数だが、個人の好奇心や話題化の度合いを測る指標として有効であり、過去サイクルでも価格の転換局面前後でスパイクが出現している。
ETF・企業財務の加速
2025年上期はアルトコイン現物ETFの申請が31本に達したため、BTC・ETH以外への制度マネーの受け皿が拡大した。一方、米国のETH現物ETFは8月12日に初の日次純流入10億ドル超を記録し、7月以降の累計流入も急拡大した。
企業財務では、BitMine ImmersionがETHの長期保有・ステーキング戦略を開示し、SharpLink GamingもETH保有を示した。SOLではUpexiが最大5億ドルの資金枠でSOLトレジャリー拡大を掲げ、DeFi DevelopmentもSOLを蓄積し配当原資に充当する計画を示している。こうした「トレジャリー化」は検索・話題性を押し上げやすい。
BTCドミナンス低下とローテーション
BTCのドミナンスは足元で58~59%台へ低下したため、歴史的に大型アルト(特にETH・SOL)へのローテーションが強まりやすい局面にある。7月にはデジタル資産投資商品の週次資金流入が過去最高の43.9億ドル、そのうち21.2億ドルがETH関連と記録的で、CEX現物の鈍化をDEX出来高(2025年Q2に8,980億ドル)が補完した。市場全体の時価総額は8月中旬時点で約4.2兆ドルと過去最高圏で推移している。
価格・出来高への波及と過去比較
検索の山は相場の勢いと歩調を合わせやすいため、2018年・2021年のスパイクと今回を比較すると、今回は機関マネーの比重がより大きい点が相違点となる。
2018年初はICOバブル色が強く、2021年はDeFi/NFT主導で個人主導の色合いが濃かった。2025年はETFと企業財務が牽引し、制度資金の経路が整備された点で構造が異なる。
ETHを中心とした足元の強さ
8月中旬のETHは週間+28%、月間でも40%前後の上昇となり、ETH現物ETFの強い資金フローが価格を押し上げた。SOLも200ドル台を回復し、ATH(約260ドル)圏を意識する水準に接近。LINK、XRP、SUIなど主要アルトも月次ベースで二桁上昇が散見され、市場全体のベータが高まっている。
“選別的アルトシーズン”仮説
Altcoin Season Indexは直近39と「本格アルトシーズン(75以上)」未満のため、全面一斉高というより「テーマ・銘柄の選別的上昇」が続く可能性がある。一方で、ETH・SOL・XRP・LTCなどETF期待の高い銘柄や、実需/高速基盤を持つレイヤー1・L2に資金が集中しやすい。機関投資家の関与拡大を背景に、過去サイクルよりも“広く浅く”ではなく“狭く深く”の色合いが増した。
リスクと留意点(過熱・逆回転・規制)
検索急騰は過熱のサインにもなり得るため、Fear & Greed Indexが強欲圏にある局面ではボラティリティ上振れに注意したい。検索では「altcoins」「ethereum」が高水準なのに対し「bitcoin」は相対的に鈍く、ETH/BTCやBTCドミナンスの行き過ぎは逆回転の引き金になり得る。米国の規制・金利動向、ETF関連イベント、主要プロトコルの技術アップグレードも短期の値動きを左右する。
▽ FAQ
Q. 2025年の検索急増は市場に何を示す?
A. altcoinとETHの検索は2021年以来の高水準で、ETF流入と企業財務採用の拡大を背景に、個人関心の広がりを示す指標です。
Q. BTCドミナンス低下の意味は?
A. 2025-08-14時点で約58~59%に低下し、歴史的にETHやSOLなど大型アルトへの資金ローテーションが始まりやすい水準です。
Q. 取引面の変化はある?
A. 2025年Q2のDEX出来高は8,980億ドルで過去最高、CEX現物の減少を補い、アルト全体の流動性環境を下支えしています。
Q. ETHの需給を動かす要因は?
A. 米ETH現物ETFが日次10億ドル超の流入を記録し、7–8月は連日高水準の資金が入り、価格と出来高を押し上げました。
■ ニュース解説
検索が最高圏へ達したので、ETF資金流入・企業のETH/SOL採用が背景となり、BTCドミナンス低下を通じて大型アルトへ資金が移る影響が出ている。
altcoin/ETH検索が2021年級、ETH現物ETF流入更新・DEX最高・時価総額約4.2兆ドルの事実を受け、ETF定着と企業のトレジャリー化が背景のため、BTCドミナンス低下を通じ資金はETH/SOLへ移る一方で過熱後の逆回転リスクも高まる。
投資家の視点:分散・流動性・イベント(ETF審査、主要アップグレード、CPI/FOMC)を前提に、(1)BTCドミナンスとETH/BTCの併用、(2)ETFフローと取引高、(3)テーマ別ローテーションの順番を観測し、リスク許容度に応じてエクスポージャーを調整するのが一般的です。
※本稿は投資助言ではありません。
(参考:SoSoValue,Google Trends)