ANA GranWhale NFT MarketPlaceは2023年5月に始まり、2025年2月にサービス終了となったNFTマーケットです。航空写真や機体の3D作品を扱いましたが、現在も同じ場所で購入できるサービスとして紹介することはできません。
旧記事に混在していた出品数や販売日を整理し、旅行アプリとの違い、終了時の対応をまとめます。2026年9月27日に確認したANAグループなどの公式発表に基づく振り返りです。
2023年に始まった事業と、2025年のサービス終了
ANAのNFT事業を読むうえで、最初に押さえたいのは現在の提供状況です。ANA NEOは2025年1月の公式発表で、旅行アプリと「ANA GranWhale NFT MarketPlace」を同年2月28日に終了すると案内しました。NFTの売買はそれに先立つ1月16日に停止する日程でした。2026年9月時点の記事として、旧マーケットで今も購入できるような紹介は適切ではありません。
一方、事業開始は2023年5月30日の発表に確認できます。ANA NEOがマーケットを運営し、ANAが航空を題材とするNFTを出品する構成でした。グループの名前が共通していても、航空会社、持株会社、サービスの運営会社を同じ法人として扱うことはできません。
当時は航空分野のデジタル作品を通じ、顧客との新しい接点を作ることを目指していました。この目的と、その後の継続判断は別の情報です。開始時の期待だけを残すのではなく、どのサービスがいつ終わったかを併記することで、事業の経緯を正しく追えます。
最初の267点はANAだけの出品数ではない
開始発表の商品表では、2023年5月30日から扱う267点の内訳が示されています。ANAによるルーク・オザワ氏の写真が6点、ixaidによる清家拓氏の作品が80点、THE FIVEによるAirbitsが181点です。267点すべてをANAの航空写真として紹介することはできません。
同表では、ルーク・オザワ氏の写真に10万円という価格が記載され、そのうちポジフィルムを伴う1点はオークションの対象とされています。価格欄の数字と、競りによって決まる最終的な購入額は区別が必要です。「すべて同じ価格で売れた」という販売実績までは、この発表から確認できません。
出品点数は、売れた点数や購入者数とも異なります。同じ人が複数点を購入する場合もあり、出品予定の一部が売れ残る可能性もあります。作品数、発行数、販売数、保有者数を一つの数字として扱わないことが、過去のNFT事業を比較する際の基本です。
また、写真のデジタル作品と、付属する現物のポジフィルムは別の対象です。NFTを保有すること、画像を閲覧すること、現物を受け取ることの条件を分ける必要があります。商品説明にない権利まで自動的に付くものとして読むことは避けてください。
ボーイング787の3D作品は6月の第2弾
同じ商品表の第2弾は、2023年6月7日から順次販売する2種類の787機体モデルです。各787点、合計1,574点が案内され、通常の価格欄は7,870円でした。各作品の787点目に当たる計2点は、別途オークションの対象とされていました。5月の267点と6月の1,574点を一つの販売開始日にまとめると、時系列がずれます。
2種類は、ANAが最初に導入した787の特別塗装を題材とするモデルと、当時の候補だった別のデザインを題材とするモデルです。写真作品とは異なり、機体の形や塗装をデジタルな立体表現として収集する趣旨でした。NFTによって実機の所有権や航空券が付くという案内ではありません。
航空ファン向けの記念品として見る場合、作品の題材と商品条件の両方が重要になります。機体の歴史やデザインへの関心は作品の楽しみ方につながりますが、それだけで換金性や将来の値上がりが決まるわけではありません。
旧記事には、初回販売と機体モデルの点数が混在していました。本記事は告知の数字を整理したもので、各オークションの落札額や販売完了数を独自に集計したものではありません。発表された条件と実際の取引結果を分けて記載しています。
旅行アプリとNFTマーケットは同じ機能ではなかった
「ANA GranWhale」という名前は、NFTマーケットだけでなく、スマートフォン向けの仮想旅行アプリにも使われていました。2023年12月11日の日本向け公開発表では、旅先を再現するV-TRIPと、ショッピング空間のSkyモールを中心とするアプリとして説明されています。
アプリには、参加して集めるグランチップや、アプリ内で使うVマイルなどの仕組みがありました。ANAマイレージクラブとの連携も案内されていましたが、これらをNFTの発行数や販売価格と混同することはできません。デジタルな残高であるというだけで、すべて同じ性質の資産になるわけではありません。
例えば、作品を出品するマーケット、仮想空間を歩くアプリ、航空会社のマイル口座では、それぞれ記録するものと利用目的が違います。終了時の案内を読む際にも、自分が保有していたのは作品なのか、アプリ内残高なのか、通常のマイルなのかをまず区別する必要があります。
また、NFT事業を開始した2023年5月と、日本向け旅行アプリを公開した同年12月は別の出来事です。事業の説明で同じ名称が繰り返されても、日付や利用できた機能まで同一だったとは限りません。旧記事の仮想旅行に関する説明は、この違いを踏まえて読み直す必要があります。
終了時の返金と保存には期限が設けられていた
終了告知は、NFT商品の購入代金の返金を案内し、二次販売で売却済みの場合には、その商品を二次購入した人を返金対象としていました。返金の受付期限と、商品データのダウンロード・ウォレットへの出庫期限は、いずれも2025年2月28日15時とされています。これらは過去の受付条件であり、現在も同じ画面から手続きできるという案内ではありません。
旅行アプリ内の未使用の有償Vマイルについては、NFTとは別の払戻し期間が設けられ、2025年4月30日10時までとされていました。NFTの返金期限と、アプリ内残高の払戻し期限を取り違えないことが重要です。今回、利用者ごとの申請や入金まで確認したわけではありません。
この終了対応から分かるのは、デジタル作品の保有と、運営会社が提供する売買・表示・出庫の機能が別だということです。NFTという形式を使っていても、同じサイトが永久に利用できることを意味しません。反対に、サイトの終了だけを根拠に、出庫済みのトークンや保存済みのデータまですべて消えたと断定するのも不適切です。
保有していた商品について調べる場合は、当時の購入記録、返金申請、保存・出庫の有無を別々に確認する必要があります。本記事は公表された対応を整理しており、期限後の個別対応や返金の可否を保証するものではありません。
別のNFT企画まで一括りにしない
ANAには、GranWhaleの作品販売とは別のNFT施策もありました。HashPortの2024年7月の発表は、関西地域の3空港を巡るスタンプラリーを紹介しています。開催期間は2024年7月10日から2025年1月10日で、EXPO 2025デジタルウォレットを使う企画でした。
この告知では、参加者に配布するスタンプNFTと、GranWhaleのマーケットで1点限定販売する作品が分けられています。前者の発行にはPaletteChainを使うと説明されており、同じキャンペーンに関連していても、配布先や商品としての扱いが異なっていました。
したがって、特定のマーケットが終了したという情報だけで、ANAが関わったすべてのNFTの状態を説明することはできません。どの企画、どのサービス、どの時点の話かを特定する必要があります。逆に、別の企画の告知が残っていることを、終了済みマーケットの再開の証拠にもできません。
ANAの事例は、航空写真や機体デザインを収集する体験と、旅や空港への参加を促す施策をデジタル技術で組み合わせようとした取り組みとして読めます。現在は終了したサービスの記録をたどる記事であり、当時の価格や特典を使った購入案内ではありません。
よくある質問
Q. ANA GranWhale NFT MarketPlaceは今も使えますか?
A. 公式発表では2025年2月28日15時で全機能・サービスを終了しています。売買は同年1月16日に停止する日程でした。
Q. 最初の267点はすべてANAのNFTでしたか?
A. いいえ。5月30日の267点は3社の出品合計で、ANAのルーク・オザワ氏の作品は6点でした。6月の787機体モデル1,574点とは別です。
Q. NFTとアプリ内Vマイルの返金期限は同じでしたか?
A. 異なります。NFT商品の返金受付は2025年2月28日15時、有償Vマイルの払戻し受付は同年4月30日10時までと案内されました。どちらも過去の期限です。
この記事の出典
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。




