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米中関税問題の転換点とAIの進化、そしてDeFi新勢力台頭──4月19日仮想通貨ニュース

【要約】
トランプ大統領は「これ以上関税を上げると誰も買わなくなる」と発言し、米中関税の引き上げ終了を示唆
・**CZ(趙長鵬)**がBNBを“ミームコイン”と位置づけ話題に
・DeFi特化型の新レイヤー2であるUnichainのTVLが数日で大幅急増
sUSDが約0.68ドルまで脱錨、24時間で約16.5%の下落
Dragonflyアソシエイトによる「ビットコインはもはやマーケティング不要」「AIの台頭で人間同士の関係が変化する可能性あり」との指摘
・規制面ではスロベニアが2026年より個人の暗号資産利益に25%課税方針
Binance Alphaと契約がBalance(EPT)を上場予定
・米市場が休場となる中、金価格が史上最高値を更新しビットコインの価格動向にも注目集まる

米中関税問題:追加関税「もう上げない」発言の背景

米国のトランプ大統領は、米中相互の追加関税合戦が「そろそろ終わりに近づいている」とコメントしました。
「これ以上関税を上げると、消費者が買わなくなる」という言及もあり、さらに「現行の関税率さえ下げるかもしれない」とも示唆。実際、米中貿易摩擦は長期化の懸念が続いていましたが、もし本格的に緩和されれば国際貿易の安定化に繋がり、暗号資産市場にも間接的な追い風となる可能性があります。一方、アナリストからは「インフレや他の政策要因を総合的に見直す必要がある」という慎重な声も聞かれ、依然として経済・金融リスクは残る状況です。

BNBはミームコイン?CZが示唆する象徴的意義

Binanceの創業者であるCZは、BNBについて「BNBはミームコインだ」と発言し注目を集めました。
背景として、BNBが4月22日にKrakenに上場される見通しがある一方、CZはBNBを「象徴的な存在」と捉えており、あえて“ミームコイン”と称することでコミュニティの熱量を高めたい意図も考えられます。従来はBinanceエコシステムのユーティリティトークンという立ち位置でしたが、今回の発言がマーケティング戦略の一端なのか、それとも単なるジョークなのか、解釈は分かれています。

AIの台頭で変わる産業構図:Dragonflyアソシエイトの洞察

Dragonflyの管理アソシエイトであるHaseeb Qureshi氏は、最新のインタビューで**ビットコインはすでに成熟しており「これ以上特別なマーケティングは不要」**と語りました。同時に、

  • AIと暗号資産の交差領域
  • ETH Denverの活気がやや落ちていた背景
  • 「AIが人間のパートナーを置き換える可能性」
    など多岐にわたるトピックに言及しています。

特にAIについては、「ウォレットの高度化やソフトウェア自動化が進むことで、操作ミスやハッキングリスクの減少が期待できる」との見方を示しました。一方で、**主権的なAI(Sovereign AI)**がもし誕生すれば、規制枠外で活動する恐れもあり、より高度なフィルタリング技術が求められる時代になると警鐘を鳴らしています。

DeFi注目:UnichainのTVL急増が示す新潮流

4月15日頃から、レイヤー2のUnichainにおけるTVL(ロックされた総資産)がわずか数日で約900万ドルから2.67億ドルへと一時的に急増し、業界を驚かせました。
この要因として、Uniswap Labs関連の流動性インセンティブが約500万ドル分発行され、大口資金が一気に集まったことが挙げられます。短期的にはいわゆる「流動性マイニング」的な動きであるものの、Uniswapが独自L2として本格稼働を狙う構想の一端とも見られています。

  • Unichainは高速・低コストを強みとし、DeFiに特化したインフラとして設計
  • 今回の大規模流動性流入が「一時的なブームなのか」「持続的なDeFiエコシステム構築に繋がるのか」は今後の焦点

特にUniswap V4や独自チェーンを融合させる試みが成功すれば、DeFi市場での競争は新たな段階に入る可能性があります。

sUSDアンカーやアルトコイン動向:マクロ流動性リスクの行方

Synthetix系のステーブルコインsUSDが、1ドルのペッグから大きく乖離し、4月18日時点で約0.68ドルまで落ち込みました。24時間で16.5%の下落となり、ステーブルコインの信頼性が改めて問われています。また、Pump.funなど各種トークンの動向も活発化していますが、「代替アルトコインが短期急騰後に急落する傾向が続く」という指摘もあります。
BTCを含めた主要通貨の流動性や価格は相対的に安定している一方で、アルトコインは依然としてボラティリティが高い状況です。Matrixportは「ビットコインの価格を8万~9万ドルレンジに押し上げるには追加の流動性カタリストが必要」と分析しており、市場参加者は引き続き金融政策や規制の動きを注視することが求められます。

グローバル規制アップデート:米国、スロベニア、アリゾナ州の最新動向

  • スロベニア:2026年1月より個人の暗号資産利益に一律25%課税を計画。NFTなどは課税対象外とされ、立法は現地議会の最終承認待ち
  • アリゾナ州:デジタル資産関連の法案(SB 1373)が下院委員会を通過し、最終投票段階へ。州財務長官が暗号資産戦略備蓄基金を管理する内容
  • 米国上院議員イリザベス・ウォーレン:もし連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が大統領によって解任された場合、市場崩壊が起こり得ると警告

一方、スイスの小売大手SPARが一部店舗でビットコイン決済のテストを開始するなど、各国での商用利用実験も進展が見られ、政策と実需の両面が交錯する局面です。

取引所発ニュース:BinanceやCoinbaseの上場・TGE情報

  • Binance Alphaと合约:2025年4月21日20:00(北京時間)より**Balance(EPT)**の現物取引を開始、さらに21:00からは最大20倍レバレッジの永続先物を上場
  • Binance Wallet:Lorenzo Protocol(BANK)のトークン生成イベント(TGE)を4月18日17:00~19:00に実施予定。限定空投枠も設定され、注目度が高まる
  • Coinbase International Exchange:4月24日からWCT、KERNEL、BABY、PROMPTといった4銘柄の永続契約をリリース予定

このほか、Chainlink(LINK)の時価総額がニューヨーク・タイムズの企業価値を超過、Galaxy DigitalがSolanaのインフレ率調整策に関する新提案を提示するなど、多岐にわたるアップデートが進んでいます。

米欧株式市場休場と金高騰:BTCへの波及は?

イースター休暇の影響で、米国・欧州を中心に株式市場が休場でした。一方で金価格が1オンスあたり3357ドルの史上最高値を記録し、グローバル投資家のリスク回避傾向を示唆。
一部アナリストは「金高騰の数か月後にビットコインが追随する傾向がある」と指摘していますが、モルガン・スタンレーやJPモルガンなどの投資銀行は、「現時点では金の方が堅実な避難先として認識されている」とやや慎重な見方を示しています。
また、ビットコインETFに1.08億ドルの資金流入が確認されるなど、デジタルゴールドとしての評価も併せて高まりつつあるのも事実です。

ニュースの解説

米中関税摩擦の緩和見通しや金価格高騰など、マクロ要因は依然として市場を大きく左右しています。一方で、UnichainのようなDeFi特化型レイヤー2やBNBの再定義、AIとの融合など、暗号資産業界内でも技術革新とエコシステム拡大が同時進行です。sUSDのアンカーやAI技術の進展が投げかける課題など、リスクとチャンスが混在する中で、投資家や開発者に求められるのは「流動性の動向を見極めつつ、長期的な価値創造に焦点を当てる視点」と言えるでしょう。さらに各国の規制強化と実需拡大が並走することで、市場の二極化が一段と加速する可能性も考えられます。近未来の暗号資産セクターは、政治・金融・技術の三要素が複雑にからみ合う構造となりそうです。引き続き、多角的な情報収集と慎重な判断が不可欠といえるでしょう。

NFT LABO編集部