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【4月17日】米中関税戦争が仮想通貨市場を揺るがす?Solana上のMEME旋風とOM(Mantra)暴落の核心に迫る

【要約】
・米国の対中関税率が最大245%へ引き上げられ、中国外交部が対抗措置を明言
・SolanaチェーンにおけるMEME銘柄の局所的ブームと、巨大クジラによる資金流入の実態
・OM(Mantra)の突然の暴落、その最初の3分間で何が起きたのか
・各種仮想通貨ニュース:WCT上場動向、TRUMPの代替通貨解禁、BNBの定期バーンなど
・トレーダーが留意すべき市場環境と、今後の注目材料

米中関税問題の深刻化

アメリカ政府は中国が“報復的措置”をとったとして、対中関税を245%まで引き上げる方針を明らかにしました。これに対して中国外交部の林剣報道官は、過去にも再三示してきた立場を再度強調し、「関税戦は米国側によって始められたものであり、中国側の反制措置は自国の正当な利益と国際公正を守るために必要かつ合法的だ」と述べています。さらに「中国は関税や貿易戦争を望まないが、恐れることもない」と言及し、両国間の貿易摩擦が長期化する見通しが濃厚です。

こうした米中関係の悪化は、投資家心理を大きく左右する可能性があります。世界の市場が不安定化すれば、仮想通貨市場も例外ではなくリスク資産としてボラティリティ(価格変動)が高まることが想定されます。実際、一部のアナリストは「関税率のさらなる上昇や対立激化が、ビットコインをはじめとする暗号資産に急落圧力を及ぼす恐れがある」と警鐘を鳴らしています。

SolanaチェーンのMEME旋風と巨大クジラの動向

次に注目したいのが、Solanaチェーンで再燃しているMEME銘柄の局部的盛り上がりです。3月中旬以降、FartcoinRFCといった特定銘柄の価格が急騰し、1か月ほどで数倍から数十倍もの伸びを見せました。これらの代替通貨に大規模な資金を投入する“巨大クジラ”のウォレットが複数確認されており、新興のMEMEプロジェクトに短期資金が流れ込んでいる構図が浮かび上がります。

2-1. Fartcoinの事例

  • 3月中旬:大口投資家が集中的に0.2〜0.6ドル付近で買い増しし、大幅に価格を押し上げた
  • 直近価格:1ドル近辺を一時突破し、時価総額も約9億ドルに到達

こうした急騰の背景には、特定の大型ウォレット同士の“乗り換え”行為も疑われます。類似の動きとして、RFCDARKといった他のMEME銘柄でも大規模資金の流入が時間差で確認されています。

2-2. クジラアドレスの重複保有

  • 1000名以上の大口保有者アドレスを比較したところ、およそ23%が複数のMEME銘柄を同時に保有
  • Fartcoinよりも時価総額が低いDARKやRFCではクジラアドレスの重複率が高く、一部の資金が銘柄を乗り換えながら相場を盛り上げている可能性が示唆されます

2-3. AIトレンドとの接点

猫や犬、カエルをモチーフにした従来のMEME銘柄ではなく、AIや斬新なテーマを打ち出した通貨が目立っている点も注目材料です。資金の回転が局所的であるため、投資家は大口の動向をリアルタイムで追いかける必要があるといえるでしょう。

OM(Mantra)暴落の最初の3分間

一方で、**OM(Mantra)**が一日で最大95%も急落した事件が大きな波紋を呼んでいます。わずか数分間で大量の売りが集中し、各取引所の板が薄い部分を瞬間的に突き破った格好です。

  • 第一段階:BybitやBinanceのOM永続先物市場で強いショートポジション(売り)が連続的に入り始める
  • 第二段階:Binanceの深い流動性にもかかわらず大きな売り板が立ち、価格が一気に下落
  • 第三段階:OKXの現物市場で大量の売り注文(限度額売り)が確認され、一時的に他取引所に比べ大幅に値が崩れる

これにより連鎖的な清算が発生し、最終的には多くの保有者がロスカットに追い込まれました。オンチェーンデータによれば、過去にOMを大量にステーキングしていたウォレットが直前に解除し、取引所へ移動していた事実も確認されています。実際の意図は不明ですが、大規模な仕掛け売りに関連している可能性が取り沙汰されています。

主要ニューストピックス

ここでは一連のマーケット以外の主要ニュースをまとめます。

  1. WCT(WalletConnectトークン)の取引状況
    • BithumbやUpbitで新規上場
    • Binance上では一時的に他取引所よりも大幅なプレミアムが発生
  2. TRUMP銘柄のトークン解禁
    • 4月18日に流通量の約20%相当が追加解禁予定
    • 開発チームが1.2億ドル相当を依然として保有中
  3. BNB定期バーン
    • 第31回バーンで約1,579,207枚(9.16億ドル相当)が焼却
    • 発行総量は今後も段階的に減少の見込み
  4. 米国上場企業の動き
    • Janoverが約1050万ドル相当のSOLを追加購入
    • CleanSparkはマイニングしたビットコインの一部売却方針を発表し、Coinbase Primeから2億ドルの信用枠を取得
  5. OMプロジェクトの対応
    • MantraのCEOが自身のOM代替通貨を焼却する意向を示し、投資家の信用回復を図る動き

トレード戦略の留意点

米中間の関税問題がさらにエスカレートする可能性があることから、グローバル経済の先行きには注意が必要です。特にリスク資産である暗号資産への影響は避けられず、短期筋によるボラティリティ拡大が続く可能性が高いでしょう。

  • 損切りラインの明確化
    米中貿易摩擦のニュースが相次ぐ場面では、急落リスクに備えてストップ注文を忘れずに設定する必要があります。
  • クジラ動向のチェック
    Solanaチェーンのように局所的な投資ブームが起きる場合は、オンチェーンデータの分析や大口アドレスの動向確認が不可欠です。
  • 過度なレバレッジの回避
    OMのような急落時には、レバレッジをかけたポジションが一瞬で清算されかねません。

ニュースの解説

今回の米中関税問題からSolanaチェーンのMEMEブーム、さらにはOM(Mantra)の急落騒動まで、仮想通貨市場では多方面で不安定な値動きが見られます。特定の大口投資家による集中的な売買や、新興プロジェクトの一部だけが極端に上昇する“局所的バブル”など、従来の伝統的市場にはない特徴が際立っているのも暗号資産の現状です。

一方で、Janoverなどの上場企業によるSOLの大量買い付けや、マイニング企業の戦略的なビットコイン売却など、機関投資家の参入と資本効率化も着々と進んでいます。短期的には米中貿易摩擦による世界経済の不透明感が意識されるものの、中長期視点では依然として暗号資産に対する需要は底堅いとの見方もあります。

投資家にとっては、ビットコインや主要アルトコインの価格がどれほど世界情勢と連動し、またミーム通貨がどれだけ短期投機の対象になるかを、冷静に見極めることが重要です。今後も各国の政策変更や新たな規制動向、クジラの資金フローなど、多角的な情報をチェックすることで適切な意思決定を行う必要があるでしょう。

NFT LABO編集部