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【要約】
・DeFiは消費金融応用から技術面のブレイクスルーへ移行し、大幅な革新が期待される
・memeコイン市場が再び過熱し、大口投資家による狙い撃ちや大統領の発行事例も登場
・主要取引所の代表者CZはmemeコイン投機に対する懸念を表明し、成熟不足に言及
・Railgunが洗浄資金を自動で差し戻す事例が発生し、オンチェーンのAML技術が注目を集める
・Coinbaseは2024年業績を大幅に伸ばし、2025年に向けさらなる多角化戦略を推進
DeFi 2025:技術と消費金融の融合がもたらす新展開
2025年に向けて、仮想通貨業界ではDeFi分野の革新が加速しています。特に消費金融(Consumer Finance)の分野で、スマート契約ウォレットを活用した加密(かみつ)カード(Gnosis PayやArgentなど)の登場が、銀行口座を持たない層にも直接DeFiプロトコルを利用できる可能性を示しています。さらにzkTLS技術の導入により、敏感なデータを開示せず信用評価やカスタム体験を提供するプロジェクトも増加中です。
安定した通貨価値を保つステーブルコインにおいても、従来型とは異なる仕組みが登場しています。M^0やAgoraなどのプロジェクトが、ステーブルコイン発行による利息収益をDeFiプラットフォームやウォレットと共有し、参加者全体のインセンティブを高めるモデルを試験運用しています。このように、DeFi領域はプロトコルだけでなく、前端アプリやウォレットを中心とした価値の再分配が進み、流動性提供者やユーザーの利得構造が変化しているのが特徴です。
memeコインの波乱:スナイパー投資家と大統領の参入
仮想通貨の世界では、memeコインが再び注目を浴びています。CZ(趙長鵬)が自分の犬の名前を公開した際、それにちなんだ「Broccoli」というmemeコインがいくつも乱立しました。ある「狙撃手」と呼ばれる投資家は、CZの発言直後にBroccoli名義のトークンを一斉購入し、複数のウォレットに分散させたうえで売却、最終的に2,780万USDTもの利益を得たと報告されています。こうした瞬発力のある投資手法が一部投資家に流行し、memeコイン市場の過熱を示す事例と言えるでしょう。
さらに、アルゼンチン大統領のハビエル・ミレイ氏が「LIBRA」というmemeコインを発行し、同国の経済成長促進を掲げました。ただし市価は大きく乱高下し、短期間で50億ドル相当から11億ドル規模に落ち込むなど、投機的な性質が色濃い点は否めません。
CZの見解:memeコインの過剰な期待とBSCエコシステムの課題
一方で、世界最大級の仮想通貨取引所バイナンスの創業者であるCZは、memeコイン投資に対して慎重な姿勢を示しています。彼はX(旧Twitter)上で、「memeコインを求める声は『すぐに稼げるコインを教えてくれ』という意味に近い」と述べ、無責任な推奨をすることはできないと強調しました。また、BSC(BNB Chain)上でのmemeコイン生態系については成熟度が低いとの見解を示し、「もし価格下落に耐えられないなら、memeコインには手を出さない方が良い」と警告しています。
オンチェーンのAML:Railgunが盗難資金を“自動返却”
プライバシー保護を目的とするプロジェクトは数多くありますが、Tornado Cashの制裁を受けた経緯から、技術的にもコンプライアンス面でも厳しい目が向けられています。そうした中、Railgunは混合(ミキシング)機能を持ちつつも、不正資金をブラックリストと照合し、疑わしい送金を強制的に差し戻す仕組みを導入。実際に、Starknet上のzkLendがハッキングで奪われた約500万ドル分の資金がRailgun経由で洗浄される寸前に“自動返却”される事例が報じられました。
この仕組みでは、ユーザー資金を入金後1時間ほどモニタリングし、黒リストアドレスに該当すると判断された場合に強制返金処理が行われるようです。こうしたオンチェーンのAML(アンチマネーロンダリング)対策は前例が少なく、各国の規制強化やプライバシー技術の両面で注目が集まっています。
Coinbaseの最新財務レポート:2024年通期で66億ドル、Q4で最高水準の収益
米国の大手取引所Coinbaseは、2024年通期の売上高が約66億ドル、特に第四四半期(Q4)は過去3年で最大規模の収益を上げました。選挙後の好景気やビットコインETFの影響で仮想通貨価格が上昇し、取引量も大幅に伸びたことが要因とされています。四半期ベースでは約22.7億ドルの収益を計上し、前年同期比・前期比ともに大幅に増加しました。
また、Coinbaseはトレーディング依存の収益構造から脱却するため、ステーキングや安定資産(USDC)の運用、さらにBaseなどの新プロダクトにも注力しています。第四四半期のサブスクリプション&サービス収益は6.41億ドルに達し、特にUSDC発行元のCircleとの連携による利子や手数料収入が伸びています。
同取引所は2025年に向けて国際展開の拡大やPrime Financing、Coinbase Oneなど収益源の多角化を推し進める方針です。既に2025年第1四半期のトレーディング収益は7.5億ドルに到達しており、引き続き投資家の注目を集めています。