【要約】
本稿では、2025年1月15日付近に報じられた複数の仮想通貨ニュースを一つにまとめ、現在世界的に注目される「TikTok難民のREDnote流入」「REDnote概念Memeコインの台頭」「トランプ次期政権をめぐる動向」「主要企業のビットコイン買い増し」「イーサリアム財団のSNS戦略」「AI関連と仮想通貨との連動」などを詳説する。
近年、米国政府によるTikTok規制が強まるなか、多くのTikTokクリエイターが新たな活路を求めて中国発のSNS「REDnote(Xiaohongshu)」へ集団移住している。彼らは自らを「TikTok難民」と呼び、中国語を学んだり、REDnote上で英語学習を求められたりと、文化的な交流が加速。米国App Storeランキングでも小紅書が無料アプリ部門で首位に急浮上した。海外ユーザーはRedNoteと呼称し、SNS上では「TikTokの代替先」「越境コラボの新たな拠点」として話題を呼んでいる。
一方、REDnote内では既存ユーザーによる歓迎ムードが盛り上がると同時に、言語面・文化面での違いを楽しむ姿勢が注目を集めている。こうしたユーザー同士の交流は、短期間での急激なダウンロード数増加と、グローバル化に拍車をかけている。
TikTok難民の流入は、仮想通貨市場にも波及し「REDnote概念Memeコイン」が盛り上がりを見せている。代表的なものに、以下の3銘柄が挙げられる。
Memeコインはいずれも値動きの激しさが特徴で、投資家には慎重なリスク管理が求められる(NFA)。
1月20日に予定されるトランプ大統領の就任式を前に、米国の加密(暗号資産)業界が多額の寄付を行っていることが明らかになった。主要な例として、Ripple社が約500万ドル相当のXRPを就任委員会に寄付。RobinhoodやCoinbase、Circle、Krakenなどの大手も各100万~200万ドル規模の献金を行った。就任後、トランプ陣営は加密への規制緩和や会計ルール見直しに着手する可能性が取り沙汰されている。
しかし専門家によれば、実際の制度改正には人事承認や関連法整備が必要なため、即時の大幅変化は難しいとの見方もある。また「米国最高裁判所がBinanceやCZの上訴を却下」「SECに暗号資産向けルール制定拒否の説明を求める裁定」など、各種規制当局との係争も続いており、市場が期待する“規制緩和”の実現には依然として課題が山積している。
イーサリアム基金(EF)は、これまで公式X(旧Twitter)アカウントが長らく沈黙していたことをコミュニティから批判されていた。最近になって、EFは「Ethereum Foundation」「Ethereum.org」の2アカウント体制を整え、それぞれ運営方針を明確化。
さらにFarcasterやLens、Blueskyといった他SNSにも積極展開する方針を示しており、「コミュニティとの接点を広げる意義」を強調。イーサリアムはこれまで開発志向が強く、対外的な発信にやや消極的という指摘があったが、今後はより双方向のコミュニケーションが図られる見込みだ。
Nvidiaの黄仁勋CEOは、「AIエージェントの時代が到来し、この分野には数兆ドル規模のビジネスチャンスがある」と言及した。さらに暗号資産業界では、ChatGPTなどの汎用AIとWeb3が連動する形で「AI×ブロックチェーン」領域の市場規模拡大を期待する声が上がっている。
具体例としては、AIエージェントがブロックチェーン上のスマートコントラクトを自動実行し、トークンインセンティブによるユーザー参加を促すモデルが注目されている。去中心化基盤やトークン化されたAIエージェントが、2024年以降に急拡大し時価総額100億ドル超のプロジェクトが複数誕生するとの見立ても報じられた。
ただし、AIと仮想通貨を組み合わせたプロジェクトが本格的に安定運用し、収益を上げるには技術的課題や規制面でのクリアが必要だ。市場の過熱感だけが先行しないよう注意が求められる。
米国最高裁はBinanceと創業者CZの上訴を棄却し「米国証券法の域外適用を排除しない」との下級審判断が維持された。SECもコインベース(Coinbase)訴訟で「ルールを制定しない理由の説明」を求められ、グレイスケールのETF申請などで相次ぎ司法敗北を喫している。
これらは暗号資産市場の法的地位を明確化する上で重要な節目とされ、規制当局と大手取引所・事業者との攻防は今後も続く見通しだ。
本稿で取り上げたように、TikTok難民からREDnoteのMemeコイン動向、米国政局、主要企業のビットコイン取引、イーサリアム財団の方針転換、AIエージェント市場など、多岐にわたる話題が交錯している。今後は規制面の動向とテクノロジー革新がどのようにリンクしていくか、国内外の投資家の視線はさらに注がれていくだろう。