2025年1月6日暗号資産ニュース|TGEと供給増、Bybit地域対応

2025年1月6日の週は、新しいトークンの生成や上場、供給量の変化が注目された。大口投資家の利益やBTCの取引額も話題となったが、評価額と実現利益、ネットワーク上の移転と市場への資金流入は異なる。当時の発表と、公開後に確認できた補足資料を分けて整理する。

Seraph・Sonic SVM・Xterioの日程を分けて確認

2025年1月第2週は、ゲームやAIに関係するプロジェクトのトークン発行・取引開始が重なった。TGEはトークンを生成する節目を指すが、取引所での売買開始、入金受付、出金開始、ゲームの正式提供がすべて同時に行われるとは限らない。日付だけを並べず、何が始まるのかを確認したい。

Seraphの公式リリースに記載されたTGE日時は1月6日12時UTC、日本時間では同日21時だった。総供給10億枚のうち40.5%をコミュニティへの配布やインセンティブに充てる設計だ。ただし、この割合すべてが初日に流通するとは書かれていない。なお、参照したリリースの配信は米東部時間1月6日12時38分で、この記事の当初公開後に出た補足資料となる。

Sonic SVMについては、OKXが1月2日の告知で、SONIC/USDTの現物取引を1月7日12時UTC、日本時間21時に始めると案内していた。入金受付はそれ以前で、出金開始は同日16時UTCとされた。現物の開始時刻と、別途案内された無期限先物の開始時刻を混同しないようにしたい。

【後日告知による補足】Bitgetの1月7日の公式案内では、XterioのXTERについて1月8日10時UTC、日本時間19時の取引開始が示された。出金開始は翌日の予定だった。プロジェクトが掲げる発行日と、個々の取引所が提供する機能の日程は、それぞれ確認する必要がある。

アンロックは売却と同じではない

トークンのロック解除は、それまで移転などに制約があった数量を利用可能にするイベントである。受取人がその数量をすぐ取引所で売ることを意味しない。一方、売却可能な供給が増える点は価格を考える材料になるため、解除対象、受取人、既存の流通量を合わせて見る必要がある。

Aptosが2022年に公表した配分説明では、コミュニティと財団向けのうち当初利用可能だった分を除き、残りを毎月120分の1ずつ、10年間にわたって解除する予定が記されていた。投資家や主要貢献者向けには別の条件がある。すべての配分先に一つの解除率を当てはめると、数量の読み違いにつながる。

解除予定の米ドル評価額は、計算時点の価格によって変わる。例えば1,000万枚の解除予定があっても、1枚当たりの評価額が変われば表示金額は変化する。実際に市場で売られた金額や、外部から流入した資金を表しているわけではない。流通量に対する割合と総供給に対する割合も区別したい。

また、採掘に伴い継続して新しいコインが発行される仕組みを、投資家向けに保有制限を解除する予定と同じ表に並べると誤解しやすい。供給増という共通点があっても、発行の仕組みや受取人が違う。予定表の数量だけでなく、その数量がどの過程で市場へ出てくるかを見ることが大切だ。

BTCの19兆ドルという推計は2024年のネットワーク取引額

Riot Platformsで研究を担当していたPierre Rochard氏は1月4日の投稿で、ビットコインのネットワークが2024年に19兆ドル超のBTC取引を確定したと述べた。これは2024年の活動を振り返った推計であり、2025年が始まって数日で前年の取引額を上回ったという情報ではない。

ネットワーク上の移転額と、取引所での売買代金、商品やサービスへの支払額は異なる。資産を自分の別の保管先へ移すこともあれば、取引所が管理するウォレットを整理することもある。オンチェーンの移転すべてが、新しい購入需要や実体経済での支払いを表すとは限らない。

米ドル換算の金額にはBTC価格の影響もある。同じ数量のBTCが移動しても、換算時の価格が高ければ表示金額は増える。集計における内部移転やお釣りの扱いなども確認せず、表示額だけから利用者数や決済用途の拡大を断定することはできない。

取引額が大きいことはネットワーク上の活動を知る材料になるが、その数字から翌年の価格上昇率は導けない。企業による購入、ETFへの資金流入、ネットワーク利用を評価する場合も、各指標の期間と定義をそろえる必要がある。

AIトークンの大口利益を読むときの注意点

年初には、GOAT、ai16z、Fartcoin、arcなどの取引で大きな利益を得たとするウォレット分析が話題になった。しかし、特定のアドレスで見える売買だけでは、その主体の投資全体の成績までは分からない。他のアドレスや取引所口座を含む取得履歴が不明な場合、原価も確定できないことがある。

保有数量に現在価格を掛けた評価額、含み益、売却して確定した利益は区別したい。さらに、表示される価格で保有数量すべてを売れるとは限らない。取引量が少ない銘柄では、大口売却によって価格が動き、実際の受取額が想定より小さくなる可能性もある。

過去の成功例だけを集めれば、同じ主体が損失を出した取引や、売れずに残った資産が見えなくなる。利益の大きさを紹介する際には、対象期間、費用、失敗した取引を含むかを確認しなければ、再現可能な運用成績とは呼びにくい。

そのため、大口が新しく保有した銘柄を、次に上がる候補として機械的に追うのは避けたい。観測後には価格や流動性が変わっていることもある。AIという分類より、サービスの実態、トークンの用途、発行量、利用者が負担する費用を確認する方が、何に投資しているのかを理解しやすい。

Bybitのフランス向け終了措置と残高の扱い

当時のCoinhouseの案内では、対象となるフランスのBybit利用者が資金を引き出せる期限は2025年1月8日とされていた。これは地域と対象利用者を限定した措置であり、Bybitの世界中の口座が同日に使えなくなるという意味ではない。

Bybitのフランス向け追加規約は、期限後の残高が10 USDC以下なら、残額を口座終了手数料として徴収して口座を終了すると説明している。10 USDCを超える場合には、残る資産をUSDCへ換え、Coinhouseへ移管する扱いだった。元の銘柄をそのまま保管先だけ変更する仕組みとは異なる。

規約には、移管後に資産を受け取るためのCoinhouseでの口座開設、本人確認、情報の照合も記載されている。移管されたことと、利用者本人が直ちに出金可能になることは同じではない。また、個人口座への振替までに保管手数料がかかる条件もあり、放置すれば費用が生じ得る設計だった。

これらは当時の終了措置を説明したもので、現在の新規手続きや全地域への案内ではない。取引所の変更通知を読むときには、利用者の居住地などの条件、対象の契約法人、期限、資産の換算方法、移管先で必要な確認を一つずつ照合することが重要だ。

NFT販売額と参加者数が逆方向に動いた週

crypto.newsは1月4日、CryptoSlamの集計を基に、その週のNFT販売額を約1億3,270万ドルと報じた。一方、買い手と売り手の指標は増加し、取引件数は減少したと伝えている。年末の年間集計とは対象期間が違うため、同じ数字として比較することはできない。

この報道には、前週の販売額として記された数値と、併記された減少率が計算上そのまま一致しない箇所がある。観測時刻や修正の影響を確認できないため、減少率を確定した値として再計算するのは避けたい。ここでは当時報じられた週次金額として読むのが適切である。

買い手の指標が増えても、それだけで新規参入者の実人数が増えたとは限らない。複数アドレスの利用や集計の定義を確かめる必要がある。また、販売額の減少は高額作品の取引減や取引構成の変化でも起こり得る。市場全体の最低価格が下がり、割安感から買い手が増えたという因果関係までは、この統計だけでは示せない。

1月10日のトランプ氏の手続きは量刑の日程

ニューヨーク州の裁判所は1月3日の決定で、トランプ氏に対し1月10日午前9時30分の量刑手続きへの出廷を命じた。対面か遠隔かを選べるとされていた。対象は有罪評決後の量刑であり、この日に初めて有罪か無罪かを判断するという予定ではない。

政治的に注目される日程であっても、暗号資産の規制やFRBの金融政策がその場で決まるわけではない。市場への影響を考えるには、出来事の内容に加え、事前の予想や他の経済材料も確認する必要がある。TGE、供給の変化、法的手続きのいずれも、日程の確定と価格の見通しを分けて読むことが大切だ。

よくある質問

Q. TGEと取引所の入出金開始は同じですか?

A. 異なります。トークンの生成、売買、入金、出金はそれぞれ開始日時が設定されることがあります。

Q. 19兆ドルというBTC取引額は2025年の数字ですか?

A. ここで紹介したRochard氏の投稿は2024年のネットワーク取引額に関する推計です。2025年の数日間の実績ではありません。

Q. Bybitの終了措置は全世界の利用者が対象でしたか?

A. この記事で扱ったのはフランス向けの措置です。対象者の条件と残高によって取扱いが分かれていました。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。