▽ 要約
市況 BTC11万ドル割れ、恐怖指数22、ETF流出5.36億$
日本 三菱UFJ・三井住友・みずほが円・ドル連動コイン
取引所 ZBTがBinance上場、流通2.2億・配布1,500万
企業 RippleがGTreasury買収10億$、Jitoへ5,000万$投資報
投資家が最も知りたいのは「何が相場を動かし、次に何が来るか」だ。10月18日暗号資産ニュースは、市況悪化と制度・企業の動きが同時進行した日である。BTCは11万ドルを割り、ETFからの資金流出が続いた一方、日本の三大銀行は実需決済に向けたステーブルコイン構想を前進させ、取引所ではZBTが上場した。
市況総括(価格・フロー・センチメント)
ETFからの資金が流出し清算が拡大したため、BTCは11万ドルを割り恐怖指数は22へ低下した。
過去24時間の清算額は7.2億ドル、約20.6万人が影響を受けた。10月16日のビットコイン現物ETFは5.36億ドルの純流出、イーサリアム現物ETFも純流出で流入はBlackRock ETHAのみ。週明け以降の反発には新たな買い材料が必要との見立ても増えている。
レンジ・需給の見方
清算により短期の売り圧力が解消したため、目先は10.7万ドル前後が下値の攻防になりやすい。
長期保有者の利確が進み需給は悪化、レンジ上限の11.7万ドルを回復できなければ中期調整が長引く可能性がある。
規制・政策アップデート
日仏米で制度設計と監督が並行して進むため、取引事業者はコンプラ強化とプロダクト適合の同時対応が加速する。
日本では三菱UFJ・三井住友・みずほの3行が円・ドル連動のステーブルコインを共同発行し、まず三菱商事の資金決済で利用する計画が報じられた。フランスではACPRがPSAN登録業者に対するAML/CFT点検を強化。米国では財務省が安定通貨(GENIUS法)に関する意見募集や、規制機関のラウンドテーブルが予告された。
SECのスタンス変化
「法執行主導」から「枠組み構築」への移行が示され、革新免除の導入など制度面の整備が議論されている。
狙いは明確化と人材・企業回帰であり、複数当局をまたぐ統合的な手続きの設計が示唆された。一方で政府機能の停滞や係争案件など実務面の制約も残る。
企業・資金調達・プロジェクト動向
大型のM&Aとエコシステム投資が相次いだため、流動性不安のなかでも実需と基盤整備の動きは続いている。
Rippleは財務管理企業GTreasuryを約10億ドルで買収し、XRPリザーブ戦略に向け10億ドル規模の資金調達を主導する計画が伝えられた。a16zはSolanaのJitoに5,000万ドル相当のトークン出資、韓国インフラのDSRVは約2,112万ドルを調達。Orochi Networkは800万ドルを追加調達し、zkDatabase本番を開始した。
取引所・トークン(ZBT)
上場と配布設計が明確なため、短期の出来高集中が想定される一方でボラティリティ管理が鍵となる。
Binanceは第54弾HODLer AirdropsとしてZEROBASE(ZBT)を10月17日21:00(UTC+8)に上場、初期流通2.2億枚(22%)、エアドロップ1,500万枚(1.5%)。UpbitもKRW・BTC・USDT建で取り扱いを発表した。
基盤技術(Ethereum・Solana)
検証の高速化と分散性の両立が進むため、手数料・最終性の改善余地が広がっている。
Brevisの「Pico Prism」はL1リアルタイム証明(RTP)の実装を進め、数十GPUで10秒台の実証を報告。Ethereumの開発会合では年内「Fusaka」アップグレードの工程が議論された。Solanaではエフェメラル・ロールアップという拡張案が解説され、用途特化のスケーリングが検討されている。
イベント
政策・開発イベントが接近するため、短期センチメントの変化に注意が必要だ。
SECのプライバシー・規制ラウンドテーブル(10月17日)に続き、ETHShanghai 2025ハッカソンが10月18日に開幕する予定だ。
▽ FAQ
Q. 日本の三大銀行のステーブルは何に使う?
A. 三菱商事の資金決済に先行適用し、円・ドル連動で銀行預金等を裏付けに価値を保全すると報じられた(2025年10月17日)。
Q. 10月16日のBTC現物ETFの純流出は?
A. 合計5.36億ドルの純流出。12本すべてが流入なしで、ARKBなどからの流出が目立った。
Q. ZEROBASE(ZBT)の上場条件と割当は?
A. Binanceで10月17日21:00(UTC+8)に上場、初期流通2.2億枚・エアドロ1,500万枚。Upbitも同日取扱いを公表。
Q. Rippleの最近の大型取引と狙いは?
A. GTreasuryを約10億ドルで買収、企業向け資金・流動性管理を強化しつつ、XRPリザーブ構築の10億ドル調達を計画。
■ ニュース解説
BTCはETF資金流出と広範な清算で11万ドルを割った一方で、日本の三大銀行のステーブル構想やZBT上場など実需・プロダクトの前進も見られた。
投資家の視点:レバレッジ縮小と現物・余裕資金による段階的な買い下がり、イベント前後のポジション縮小、取引所上場直後のボラ対策(指値・損切り・割当確認)を基本とし、規制発表や開発会合スケジュールをカレンダー管理するのが無難。
※本稿は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。
(参考:Nikkei)