2024年11月19日暗号資産ニュース|MSTR購入とミームコイン上場観測

2024年11月19日前後は、企業のビットコイン購入とミームコインへの関心が重なっていた。ただし、企業が実行した購入、取引所が公表した商品、第三者が期待する上場は同じ確度の情報ではない。この記事ではMicroStrategyの開示とBinanceの告知を軸に、NFTブランドの企画や著名人の発言も整理する。旧稿にあった利益や価格上昇を当然視する説明は、確認できる事実と見通しを分けて読み直した。

MicroStrategyは51,780BTCの追加購入を開示

MicroStrategyが11月18日に公表したForm 8-Kによると、11月11日から17日に約51,780BTCを約46億ドルで取得した。費用込みの平均取得価格は1BTC当たり約88,627ドル。子会社を含む17日時点の総保有量は約331,200BTCとなり、累計取得額は約165億ドルだった。

今回の購入資金は株式の発行・売却による収入である。開示は購入実績を示すが、それに伴うBTCの値上がりや他社の追随まで証明するものではない。株主の立場では、保有BTCの増加と株式数の増加を合わせて見る必要がある。

同社の「BTC Yield」も預金の利息とは異なる。これは想定希薄化後の株式数に対するBTC保有量の比率が、期間中にどれだけ変化したかを見る独自指標だ。株主の投資収益率やBTCから生まれる収入を表す数字ではない。

また、累計取得額はその日の市場価値と同じではない。購入時点が異なる資産を持つ企業では、今回の購入単価、過去を含む平均単価、現在の相場を分けると、どの数値を比較しているかが明確になる。

GOATは現物上場の期待と先物の告知を分ける

旧記事はGOAT、ZEREBRO、DOG、SPX、RETARDIO、PUPS、BITCOIN、SUNDOG、FARTCOINを「Binance上場が期待される9銘柄」として紹介していた。しかし、候補として話題になったことは取引所の採用決定ではない。この一覧を公式の予定表や審査通過銘柄として読む根拠は示されていなかった。

GOATについては具体的な公式告知がある。Binanceは10月24日、同日13時30分UTCにGOATUSDTの無期限先物を開始すると発表した。対象はGoatseus Maximusであり、11月19日の記事時点より前の告知である。ここで発表された商品は先物で、GOATそのものを購入して出庫する現物取引の開始とは異なる。

告知は対象トークンを識別するコントラクトも示していた。ミーム銘柄には似た名称や同じ略称を使うものがあるため、名前だけのリストでは誤認が起きる。特に「BITCOIN」という表記を見ても、それがBitcoinネットワークのBTCを指しているとは限らない。

上場情報を読むときは、銘柄名に加えて現物・先物の別、開始日時、対象地域を確認したい。取扱いが増えれば売買機会が増える可能性はあるが、買った後の値上がりや必要な数量を希望価格で売れることまで保証されるわけではない。最大レバレッジの数字も、期待できる利益の倍率として扱うべきではない。

Doodlesとマクドナルドは米国の販促企画

11月14日のThe Blockは、Doodlesとマクドナルドの共同企画を報じた。米国では11月18日からMcCaféのホリデーカップにDoodlesのアートが登場し、アプリ経由の対象ドリンク購入でデジタルアイテム用のコードを受け取る内容だった。コードはDoodlesのStoodioで利用する仕組みとして紹介されている。

この企画は、NFTを起点とするブランドが飲食店の店頭やアプリに接点を広げる事例として読める。一方、米国でのキャンペーンを日本の店舗でも実施したと解釈したり、Doodlesの既存NFTを持つだけで特典が届くと考えたりすることはできない。対象商品と参加条件を伴う販促企画である。

さらに、ブランドの露出増加とNFT保有者の経済的利益は別の話だ。コラボレーションの発表だけでは、NFT保有者への売上分配や、既存コレクションの買い取りを意味しない。デジタルアイテムが手に入ることも、そのアイテムに換金性があることを自動的には意味しない。

当時の企画を振り返る記事として紹介しており、現在も同じコードや特典を利用できると案内するものではない。期間のあるキャンペーンでは、発表内容と現在の受付状況を分ける必要がある。

CryptoPunks関連の話題だけで市場全体の回復は測れない

旧稿ではPUNK 3493を巡るAIエージェントやミームコインの話題と、NFTの週間取引量が75.3%増えたという数値を結び付けていた。しかし、参照する集計期間、データ提供元、その企画が増加に寄与した割合は示されていなかった。この状態で、特定の作品の話題が市場全体の売買を押し上げたと断定することはできない。

CryptoPunksの作品番号を名乗るプロジェクトがあっても、元のNFTの保有者による企画なのか、第三者が画像や名前に着想を得た企画なのかは別途確認が必要だ。関連トークンの取得が元のNFTの共同所有を意味するとも限らない。作品そのものと、それに言及するトークンの権利関係を混同しないことが重要になる。

市場の回復を調べるなら、一部作品の高額売買と多数の買い手の参加を分けたい。売買総額が増えた週でも、購入者が少数に集中していれば広い需要の回復とは言い切れない。ここでは根拠を再確認できなかった増加率を確定値として引き継がず、Doodlesの企画とCryptoPunksの市場動向も別の出来事として扱う。

Musk氏の過去の保有発言と現在の残高は別

SpaceXがビットコインを持つという話は、2024年11月に初めて明らかになった情報ではない。CoinDeskは2021年7月21日の「The B Word」で、Elon Musk氏がSpaceXのBTC保有と、本人のBTC・ETH・DOGE保有に言及したと報じていた。

ただし、2021年の発言から2024年11月の数量や、その後も一度も売却していないことまでは確認できない。個人の保有、SpaceXの資産、Teslaの資産も別々に扱う必要がある。特定人物が会社に関わっていることを理由に、三者の残高を一つの財布のように説明するのは不正確だ。

旧稿の「大量に保有し続けている」「価格の安定化が期待される」という説明は、保有数量と市場への作用をつなぐ裏付けがなかった。著名人の発言が注目されても、その人が他の保有者の売却を止められるわけではない。過去の発言は背景情報として利用し、新しい購入実績の代わりにはしない。

AI需要による100万ドル予測とLP収益の前提

AIエージェントが暗号資産を使うという構想と、BTCが100万ドルになるという予測の間には、複数の仮定がある。AIが支払いに使う資産は何か、決済のたびに購入するのか残高を保有するのか、どれだけの額が必要かという条件がなければ、AIの利用数をそのままBTC需要へ換算できない。

旧稿には予測者の計算や達成時期が示されていなかったため、100万ドルは裏付けられた到達見通しとして採用しない。技術の利用が拡大する可能性を論じることと、特定の市場価格を導くことには距離がある。企業による実際の購入数量と同列のニュースとして扱うべきではない。

ミームコインのLP、つまり売買に使う流動性を提供する方法についても、手数料収入だけでは利益を判断できない。Uniswapの公式解説では、v3の集中流動性は指定した価格帯に資金を配置する仕組みである。価格が範囲を外れると、そのポジションは売買手数料を得られなくなる。

「パッシブ」という呼び方でも、資産価格の変化がなくなるわけではない。収益を比べる際には受取手数料に加え、引き出せる資産の数量と価値、設定変更や取引の費用を含めたい。旧記事のBUCK/SOLの利益例には検証可能な期間や取引履歴がなかったため、再現できる成功例としては掲載しない。なお、Uniswapの仕組みは一般的な説明のために参照しており、このペアが同じ実装だったと確認したものではない。

よくある質問

Q. GOATは11月19日に初めてBinanceへ上場したのですか?

A. 確認した公式発表は10月24日のGOATUSDT無期限先物の開始告知です。現物取引の上場とは区別し、11月19日の新規上場としては扱っていません。

Q. MicroStrategyのBTC Yieldは受け取れる利息ですか?

A. 利息ではありません。想定希薄化後の株式数に対するBTC保有量の比率の変化を示す会社独自の指標で、投資家の受取額や運用利回りを表すものではありません。

Q. DoodlesのNFTを持っていればマクドナルドから収益を受け取れますか?

A. 本稿で確認したのは米国のカップとアプリ購入に連動する販促企画です。既存NFT保有者に売上を分配する制度を確認したわけではありません。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。