11月8日:ETFフロー転換とZEC急騰

▽ 要約

市況…ETFフローが6日ぶりに流入超、BTCは$104k回復
個別…ZECが1カ月で最大20倍、ICPも+30%
規制…英が米国準拠のステーブル規制へ、RWA加速
XRP…フランクリンのXRPZがDTCC表示(承認示唆ではない)

ETFフローが6日ぶりに流入超へ転換したため、BTCは104,000ドル台へ回復する一方で105,000ドルに厚い売り、ZEC急騰とXRPZ表示が個別材料となった。

市況総括

ETFフローが流入超へ転じたため、BTCは$104,000台を回復する一方で$105,000上は売り厚く、恐怖・強欲指数21と弱気が残る。
短期では現物フローよりデリバティブの清算が主導し、日次では$581M規模のロスカットが観測された。ETFはBTC+240M/ETH+12.5M(11-06)と反転。ZECやFILなどオルトに資金が循環し、AI・DePINセクターは1日で二桁上昇も見られた。
BTCのチェーン上では“OG”とされる長期保有分の大型支出が増え、古いコイン放出と新規需給の入れ替わりが進む一方、SOLは過熱反落後にコスト割れ域での構造的チャンスが指摘された。

レンジ・需給の見方

$105,000の上抜けに失敗しているため、98,800ドルの攻防とETF流入の継続性が短期の分岐点となる。
建玉整理の波及でボラが高まりやすく、期日集中の先物・オプションは現物ベーシスと清算クラスターの位置が鍵。恐怖・強欲指数は21と弱気で、反発局面でも戻り売りの厚みを意識したい。

規制・政策アップデート

英国が米国に準拠したステーブルコイン制度導入を急ぐため、RWAの法整備が域内で加速しアジア(東南アジア2カ国)やカナダも追随の構えだ。
RWA市場は時価総額$35.83B、保有者53万人超へ拡大。既存資本の回転効率が高まる一方、XUSDのディペグ連鎖やプロトコル停止など、ステーブル基盤のオペリスクも露呈した。米国では政府機能停止の長期化で雇用統計の欠測が発生し、政策当局の「視界不良」が続く。

企業・資金調達・プロジェクト動向

資金はRWAと予測市場・エージェント経済に向かうため、伝統金融と暗号の接点が広がり、プロダクト供給も多層化している。
フランクリンの「XRPZ」がDTCCに表示(準備段階)となりXRP関連の思惑が再燃。RobinhoodはQ3で暗号収益が前年同期比300%超となり、予測市場など新規事業の寄与が注目された。WisdomTreeは14本のトークナイズド基金を公表、UBSはChainlinkを用いたオンチェーンNAV等に踏み出し、JPMorganはファンド・サービスへのブロックチェーン適用を拡大。
ZECは月間で“最大20倍”水準まで急伸し、Arthur Hayes氏のファミリーオフィスで流動資産構成の2位に浮上。ICPも日次+30%で$8台へ。

関連:米雇用削減急増と米利下げ観測、政策発言も

エージェント×決済

AIエージェント間決済の標準x402が“通貨”、ERC‑8004が“パスポート”として補完するため、検収と信用の担保まで含めたマシンエコノミー基盤が整いつつある。
CaffeineAIなどのノーコード連携により小口・高頻度の自動決済が現実化、実運用に近づくほどオンチェーン決済と信用評価の結合が差別化要因となる。

イベント

BTC/ETHのオプション清算が本日約$5Bで集中するため、変動率とベーシスの急変に要警戒となった。

トークン解除日(JST)時刻(JST)解除数量(トークン)
RED2025-11-07深夜(時刻不明)約 5.54M
SXT2025-11-0821:00約 24.64M
BB2025-11-0908:00約 29.93M

SECはGrayscaleのDOT現物ETF判断を11-08へ延期しており、判定タイミングと相場の噛み合わせに注意したい。

▽ FAQ

Q. ETFフローはどう変化した?
A. 2025-11-06時点でBTCは+240百万ドル、ETHは+12.5百万ドルと6日ぶりの流入超へ転換。センチメント底打ち観測に直結。

Q. ZECとICPの値動きは?
A. ZECは1カ月で最大20倍の急騰、短期で$626〜$750に接近。ICPは24時間で+30%、最高$8台まで上昇した。

Q. XRP関連の新材料は?
A. フランクリン・テンプルトンのXRP ETF「XRPZ」がDTCCに表示(準備段階)。企業エバーノースはXRPで約$79Mの含み損観測。

Q. 11月8日の重要イベントは?
A. BTC/ETHのオプション満期が約$5B規模で集中。解除はSXTが11-08 21:00、BBが11-09 08:00予定で流動性に影響。

■ ニュース解説

ETFフローが反転したため、短期の戻り局面が広がる一方で、$105,000の売り厚さと$5B満期でボラ拡大が懸念される。RWA・ETF・AI決済といった制度・技術の前進は資金の受け皿を多様化させるが、ステーブル基盤の運用リスクや政策の視界不良が残る。
投資家の視点:イベント前後のレバレッジ調整と現物・先物ベーシスの監視、ETFフローの継続性、オルト急騰銘柄はサイズ管理と逆回転リスク対策を徹底。

※本稿は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

(参考:PANews)