SNSとNFTはどうなったか|六角形アイコンから撤退までの4年

2022年はSNSとNFTの距離が一気に縮まった年でした。Twitter(現X)はNFTをプロフィール画像に設定すると六角形で表示される機能を始め、リンク集サービスのLinktreeもNFTの表示や、NFTの保有者だけが開けるリンクに対応しました。旧版の記事は2022年10月、これらを「NFTクリエイターの間でトレンドになっている」と紹介していました。

それから4年がたち、状況は大きく変わっています。この記事では、旧版の記述の誤りを直したうえで、各サービスがNFT機能をどう扱ってきたのかを時系列で追い、2026年9月時点で残っている機能と、使う前に確かめたい点をまとめます。

2022年に何が始まったか:Twitterの六角形アイコン

Twitterは2022年1月20日、有料プラン「Twitter Blue」の試験機能として、NFTをプロフィール画像に設定できる機能を公開しました。TechCrunchによると、設定できたのはiOSアプリだけで、提供地域は当時Twitter Blueを展開していた米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドです。日本では使えませんでした。

対応していたのはイーサリアム上の静止画のNFTで、MetaMaskやCoinbase Wallet、Rainbow、Ledger Liveなどのウォレットを接続して、実際に保有していることを確認する仕組みでした。NFTを売ったり送ったりすると、アイコンは六角形から通常の円形に戻ります。

旧版は料金を「月額4.99ドル」としていましたが、公開当時のTwitter Blueは月額2.99ドルでした。4.99ドルへの値上げが発表されたのは2022年7月28日です。

日本の利用者にとっては、当時も「海外で始まった機能」を眺める立場でした。公開時点では日本から設定できませんでした。その後日本で使えるようになったかどうかは公式資料で確認できず、2024年1月には設定機能そのものが削除されています。

LinktreeのNFT機能と、ほかのSNSの動き

Linktreeは2022年5月18日、NFTに関する3つの機能を発表しました。保有するNFTを並べて見せる「NFTギャラリー」、NFTをプロフィール画像や背景に設定できる機能、そして特定のNFTを持つ人だけがリンクを開ける「NFTロック」です。公開当初の対応はイーサリアム、ウォレットはMetaMask、マーケットプレイスはOpenSeaに限られていました。

同じ時期、ほかの大手SNSもNFTに手を広げていました。

  • Instagram・Facebook:2022年5月、米国の一部クリエイターを対象に、保有するNFTをフィードやストーリーズで紹介できる機能の試験を始め、8月4日には100か国に広げました。プロフィール画像ではなく、投稿として見せる機能です。
  • Reddit:2022年7月7日、Polygon上のNFTをアバターとして買える「コレクティブルアバター」を始めました。カードで購入でき、アプリ内のウォレット「Vault」に保管される仕組みでした。

Metaの機能は当初イーサリアムとPolygonに対応し、8月の拡大時にはFlowも加わりました。Redditのアバターは、発売時に90種類のデザインを9.99ドルから99.99ドルの固定価格で販売していました。暗号資産を持っていない人でもカードで買える点が、ほかのサービスとの大きな違いでした。

背景:なぜSNSはNFTに飛びついたのか

2021年から2022年前半にかけて、NFTのプロフィール画像(PFP)は、特定のコミュニティに属していることを示す名刺のような役割を持っていました。ところが画像そのものは誰でも保存して自分のアイコンにできるため、「本当に持っているか」を示す手段が求められていました。ウォレットと接続して保有を確認するTwitterの六角形は、その需要に応える機能でした。

SNS側にとっては、有料プランの加入を促す特典になり、クリエイターの取引を自社のサービスに呼び込む狙いもありました。ただ、どのサービスも対応チェーンやウォレットを限定しており、NFTを持っていない大多数の利用者にとっては関係の薄い機能にとどまりました。

もうひとつの特徴は、どの機能もNFTの「所有」を見せることに重心があり、NFTを使って何かができるわけではなかった点です。LinktreeのNFTロックは保有者だけが開けるリンクを作れるという意味で実用寄りでしたが、利用はMetaMaskを持つ一部の人に限られていました。機能が広がらなかった理由は各社とも詳しく説明していませんが、NFT市場の縮小と重なって、維持する理由が薄れていったと見られます。

その後どうなったか:相次いだ撤退

2022年後半からNFTの取引が冷え込むと、SNS各社は機能を縮めていきます。

サービス その後の経緯
Meta(Instagram・Facebook) 2023年3月13日、担当幹部がデジタルコレクティブルの終了を表明
Twitter(X) 2022年12月に月額8ドル(iOSは11ドル)で有料プランを再開し、2023年8月に「X Premium」へ改称。2024年1月、NFTをプロフィール画像に設定する機能をヘルプから削除したと報じられた
Reddit 2023年11月までにコミュニティポイントを終了。2025年11月11日にアバターの販売を止め、2026年1月1日付でVaultを外すと告知

XのNFTアイコンについて、すでに設定していた人の六角形表示がその後どう扱われたかは、報道や公式資料で確認できませんでした。Redditは、購入済みのアバターは引き続き使えるとしており、ウォレットの復元フレーズを書き出しておくよう利用者に案内していました。

2026年時点で残っているもの

Linktreeのヘルプセンターでは、2026年9月時点でもNFTギャラリーとNFTロックの説明ページが公開されています(いずれも2026年4月更新)。対応はイーサリアム上のNFTとMetaMask、OpenSeaに限られ、Polygonのネットワークにあるものは使えないと書かれています。ギャラリーに並べられるのは最大6点です。

一方、Linktreeのプロフィール画像の説明ページには、画像やGIF、動画などの選択肢が並ぶものの、NFTを使う方法や六角形の表示には触れていません。NFTをプロフィール画像にする機能が今も使えるかどうかは、公開資料からは確認できませんでした。ヘルプページが残っていることは、機能が実際に動くことの保証にはならない点にも注意が必要です。

旧版で「OpenseaとMetamaskのNFTのみ」と書かれていた条件は、4年後も大きくは変わっていないことになります。

SNSでNFTを使う前に確かめたいこと

SNSやリンク集サービスでNFTを見せる機能は、運営会社の方針ひとつで終わることがあります。使う前に次の点を確かめておくと安心です。

  • ウォレット接続の範囲:接続するのは保有の確認のためか、署名を求められるのか。見せるだけの機能で、送金や承認の署名を求められることは通常ありません。
  • サービス終了時の扱い:NFTそのものはブロックチェーン上に残りますが、Redditの例のようにアプリ内ウォレットで保管していた場合は、復元フレーズを自分で控えておく必要があります。
  • 偽の案内:「NFTアイコン認証」などをうたうリンクから署名を求める手口にも注意が必要です。

ウォレットの管理はウォレットの安全対策で、よくある被害の型はNFT詐欺の手口の記事で整理しています。

よくある質問

Q. XでいまNFTをプロフィール画像に設定できますか?

A. できません。TechCrunchは2024年1月、XがNFTをプロフィール画像に設定する機能をヘルプから削除したと報じています。2022年1月の公開当初、日本は提供地域に入っていませんでした。

Q. LinktreeのNFT機能はまだ使えますか?

A. 2026年9月時点でも、NFTギャラリーとNFTロックのヘルプページは公開されており、イーサリアムとMetaMask、OpenSeaに対応するとされています。NFTのプロフィール画像機能については、現在の説明ページで確認できませんでした。

Q. RedditのNFTアバターは使えなくなったのですか?

A. Redditは2025年11月11日に販売を終え、2026年1月1日付でアプリ内ウォレットのVaultを外すと告知しました。購入済みのアバターは引き続き使えると案内しています。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。