コトブキヤの「プレタコンポジッタ03」は、イラストレーター・いわこ脳のデザインを基にした3Dアバターです。MaKuMa(マクマ)をはじめとする4種類が、2023年3月23日11時にダウンロード販売を開始しました。フリルのある衣装と動物をモチーフにしたメカパーツを組み合わせ、使うだけでなく改変して楽しむことも想定した製品です。
購入するのは、VRMなどのファイルを含む3Dモデルデータであり、NFTではありません。本記事では、4モデルの選び方、収録形式、導入に必要な作業、現行規約で許される利用を整理します。販売ページの価格・告知は2026年9月27日に確認しました。
発売時と現在の価格、単品とセットの内容
発売時に発表された価格は、単品が各3,200円、4種セットが11,500円で、いずれも税込みでした。確認時点の公式BOOTH販売ページにも同じ金額が表示され、各商品にカートへ追加する項目があります。販売ページの掲載は確認していますが、今回購入やダウンロード、アプリへの導入を試したものではありません。
セットは単品4種類をまとめた内容です。単品を全て買う場合の合計12,800円と比べ、1,300円低い価格になります。ただし、一つのモデルだけを使いたい人が、動作のためにセットを必要とするわけではありません。セットで手に入るデザインの幅と、自分が使うモデル数を比べて選ぶ商品です。
壽屋が販売し、発売資料ではMUGENUPによる制作、いわこ脳によるアバターデザイン、クリープによるVRC・VRMセットアップなどの担当が紹介されています。実物のフィギュアや衣装が配送される商品ではなく、ファイルを利用するための商品なので、写真だけでなく同梱物と使いたいサービスを照合することが大切です。
4種類は色だけでなく、髪と動物型ギアが異なる
ラインナップは、クマをモチーフにしたMaKuMa、ペガサスのTenMa、ウサギのHaNeRu、ネコのMaNeKoです。公式紹介は、MaKuMaを基に動物型のテック系ギアでバリエーションを作ったと説明しています。同じ体の色違いだけを4種類販売しているわけではありません。
発売資料では、髪の造形は各デザイン固有の4種類、顔とボディの造形はそれぞれ共通とされています。ギアは頭部に4形状、上半身にベアグローブ・ペガサスウイング・バックパックの3形状、下半身に膝あて・ルーズソックスの2形状、脚部に脛あてとシューズを合わせて4形状を用意した構成です。これらの組み合わせと配色が、モデルごとの印象を変えています。
各単品にも髪、顔、ボディを含む一体分のアバターが入ります。一方、着せ替え用の裸の全身モデルが別に入るという意味ではありません。スカート内部はポリゴンでふさがれ、インナーウェアや臀部は造形されていないと発売時に明示されています。衣装を外す改変を考える場合は、この省略された部分も含めてデータの構造を理解しておく必要があります。
軽量な構成と、表情を作るための仕組み
シリーズの共通設計は、全身10,000ポリゴン未満、1マテリアルという構成です。製品紹介の「10,000ポリゴン」は設計規模を示す表現で、4モデルがそれぞれ正確に同じ面数だという意味ではありません。単純な構成によって扱いやすくする狙いがありますが、軽量だから全ての端末やサービスで無条件に動作するという保証にはなりません。
公式製品ページは、頭部と胴部の二つのオブジェクトで管理し、細かなギアや髪は頂点グループで分けたと説明しています。顔には目、眉、口を独立して調整できるシェイプキーがあり、頭部を取り替えた際に首元の穴をふさぐためのキーも用意されています。シェイプキーは、モデルの形をあらかじめ設定した変化に沿って動かす仕組みです。
発売資料には、喜怒哀楽、驚き、笑顔、サブフェイス2種類、モデル固有の表情1種類という計9種類が、プレーンな状態とは別に記載されています。完成済みの表情だけを切り替えるほか、目や眉などを組み合わせる調整も想定されています。ただし、収録された変形データと、使用先のアプリで操作できる表情メニューは同じものではありません。
VRM、Unitypackage、FBX・PSDを使い分ける
提供形式はZIPで、その中にVRMファイルとVRChat導入用のUnitypackage、改変向けのFBXやテクスチャなどが入ると販売ページは説明しています。発売時にはPSDも改変用ファイルとして挙げられました。VRMは対応するアプリでアバターを扱うための形式、UnitypackageはUnityのプロジェクトへ設定や素材を取り込むための形式です。
FBXは形状や骨格などの編集、PSDは主に画像や配色の編集に関わります。同梱されているからといって、全ファイルを同じアプリへ読み込むわけではありません。VRChatで使う場合には、その用途に向けて設定済みのUnitypackageを出発点とし、見た目を変える場合に改変用データを使うという役割の違いがあります。
公式仕様にはVRChat用データのPC・Quest両対応が記載されています。ただし、2023年発売のデータと現在のSDK、利用先の表示制限が全て同一とは限りません。購入後は同梱説明を読み、対応する制作環境を用意して取り込み、表情や表示を確かめる工程が必要です。ファイルを買っただけで、全メタバースのアカウントへ一斉にアバターが追加される商品ではありません。
VRChatへの導入条件と、残っている不具合告知
現在のVRChat公式ガイドは、UnityとSDKを使うカスタムアバターのアップロードについて、VRChatアカウントと「New User」以上のトラストランクを必要条件にしています。Creator Companionを通じて制作環境を整える手順も案内しています。BOOTHの購入履歴があることと、VRChat側でアップロードできる資格を持つことは別です。
コトブキヤの利用ガイドにも、VRChatのバージョンによっては動画と同じ方法でアップロードできない場合があるとの注意書きがあります。古い解説動画の画面をそのまま追うより、製品の説明と現行のVRChat公式手順を対応させて確認する必要があります。導入済みの環境へ追加する場合も、対応バージョンを確かめずに既存設定を上書きするのは避けたいところです。
BOOTHには2023年7月20日付で、VRMのSORROW・FUN表情の欠落修正や、MaKuMaの手がアーマーからはみ出す問題への対応が掲載されています。一方、10月12日付のMaNeKoの表情操作メニューに関する告知には修正時期未定とあります。今回の公開情報では後者の解消を確認できませんでした。現行ファイルの実機試験も行っていないため、告知が残っていることを示すにとどめます。
改変は認められるが、再配布やNFT収益化は別
シリーズ規約は、自分のアバターとしての利用や改変を認めています。改変を他人に依頼する場合は、依頼者と受託者の双方が製品を適法に取得していることが条件です。また、独自に作った装飾用データの頒布・販売は認める一方、元モデルやその二次創作物を復元できるデータは対象から除いています。改変可能という表示だけで元ファイルを共有してよいわけではありません。
確認した日本語規約は2023年4月19日改定と記載され、ブロックチェーンやNFT関連技術を利用した収益行為を禁止しています。モデルデータの機械学習・アバター生成ツールへの利用にも禁止規定があります。NFTを付けて転売する商品や、自由に学習素材へ使えるデータと解釈することはできません。
個人の表現活動の継続に必要な範囲での収益化には許可がありますが、法人・団体の利用や、ソフトウェア・ゲーム・アプリへの組み込みは事前許諾が必要とされています。立体物の制作等にも別途条件があります。配信で自分の姿として使う場合と、モデルを配るサービスを作る場合では許諾の扱いが変わるため、予定する用途を規約全文の該当項目と照合してください。
よくある質問
Q. MaKuMaはNFTとして販売されていますか。
A. 公式BOOTHでは通常のダウンロード商品として掲載されています。シリーズ規約は、モデルや二次創作物によるNFT・ブロックチェーン関連の収益行為を禁止しています。
Q. 4種セットに単品にはない特別なモデルが入りますか。
A. 発売時の説明では、4種セットの内容は単品4種類と同じです。共通の顔・ボディに、髪や動物型ギアなどの差分があるモデルをまとめて入手する商品です。
Q. 購入すればすぐにVRChatへアップロードできますか。
A. 購入とは別に制作環境の準備とVRChat側の条件を満たす必要があります。Unity・SDKを用いるアップロードでは、現行公式ガイドがNew User以上のランクなどを求めています。
この記事の出典
- 壽屋:プレタコンポジッタ03 MaKuMa発売発表
- コトブキヤ:プレタコンポジッタ03製品概要
- アバターショップ コトブキヤ:MaKuMa BOOTH販売ページ
- コトブキヤ:プレタコンポジッタ利用規約
- コトブキヤ:シリーズ別アバターご利用ガイド
- VRChat:Creating Your First Avatar
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。




